国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日

国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日（IDAHOBIT）

国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日、通称IDAHOBITは、毎年5月17日に行われる記念日です。この日は、LGBTコミュニティの権利が侵害されることへの認識を深めることを目指しています。具体的には、ホモフォビア、トランスフォビア、バイフォビアといった差別や偏見に対抗するための国際的な活動が展開されます。

歴史的背景

この日付は、1990年に世界保健機関（WHO）が同性愛を国際疾病分類から除外したことを記念する意味を持っています。また、5月17日は、2004年にアメリカのマサチューセッツ州で同性結婚が合法化され、2010年にはポルトガルでも同様の法律が施行されるなど、重要な法改正が行われた日でもあります。さらに、2019年にはアジアで初めて台湾において同性婚が法制度化され、これらの流れの中でIDAHOBITの意義が深まっています。

ブラジルでは2010年に、当時大統領のルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ氏が公式にこの日を国の反ホモフォビアの日として承認しました。また、過去にはドイツでもこの日が同性愛に関連する非公式な記念日と認識されていました。日本では、この日が「多様な性にYESの日」として日本記念日協会に登録されています。

IDAHOBITの成立

国際反ホモフォビアの日は、フランスの大学教授であり同性愛者活動家のルイ=ジョルジュ・タンが2005年に提案し、初年度には50ヵ国からの支援を受けながらキャンペーンや討論会、デモ、展示企画などが開催されました。翌年2006年には欧州議会にて、同性愛に対する嫌悪を非難する決議が通過し、IDAHOは正式に承認されました。

さらに同年のワールドアウトゲームズでは、国際反ホモフォビアの日の推進を呼びかける「モントリオール宣言」が採択され、すべての国と国際連合に対してその承認を促しました。

2009年には、国際レズビアン・ゲイ協会が国連経済社会理事会でIDAHOを承認した後、名称が変更され「国際反ホモフォビア・トランスフォビアの日」となり、トランスフォビアに対する活動も含まれるようになりました。2015年にはバイフォビアも加えられ、「国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日」（IDAHOBIT）とされ、より包括的な運動になりました。

現代の活動

近年ではIDAHOBITは「International Day Against LGBTQIA+ Discrimination」としても認識され、より広範な差別問題に目を向けることが求められています。各地で行われる活動はさまざまで、パレードやシンポジウム、映画上映会などを通じて、性の多様性についての教育や啓発が行われています。

このように、IDAHOBITはLGBTQIA+コミュニティの権利擁護の象徴的な日となり、多様性と包摂を促進する活動が世界中で推進されています。

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