国際浮世絵学会

国際浮世絵学会について

国際浮世絵学会（こくさいうきよえがっかい）は、日本の浮世絵に特化した学会であり、国際的な研究団体としての役割を果たしています。この学会は、1962年に設立された日本浮世絵協会を起源とし、1998年に正式に設立されました。その目的は、浮世絵の研究、保存、普及、そして国際交流を促進することにあります。

設立の背景

国際浮世絵学会は、日本の伝統芸術である浮世絵の価値を広めるために、学術的かつ国際的な観点から活動を行っています。設立の際には、第3回国際浮世絵大会が重要な節目となり、それを基にした活動がスタートしました。設立以来、毎年4回の研究会や、春と秋に開催される国際大会、及び年2回発行される会誌『浮世絵芸術』などを通じて、様々な研究活動を進めています。特に、同会誌は、浮世絵の最新の研究成果や情報を発信する場となっています。

主要な活動と構成

国際浮世絵学会では、展覧会の企画や浮世絵に関する情報の発信も積極的に行います。名誉会長には楢崎宗重が、初代会長には山口桂三郎が、そして理事長には諏訪春雄が就任しています。学会は2005年には理事長に小林忠を迎え、2007年には「国際浮世絵学会賞」を設立。この賞は、浮世絵研究に顕著な貢献をした研究者に授与されています。2008年には、東京堂出版から浮世絵の大事典が刊行され、学会の知見をさらに広げる取り組みも行われています。

また、学会の運営においては、事務局、総務委員会、財務委員会、企画委員会、編集委員会、国際委員会といった組織が設置され、様々な分野で活動が展開されています。2014年時点で、学会には約650名の会員が登録されており、研究者以外にも愛好家やコレクター、美術商など多様な背景を持つ人々が参加しています。

所在地

国際浮世絵学会の事務局は、東京都中央区銀座に位置しており、さまざまな活動の拠点となっています。絵画芸術である浮世絵の重要性を理解し、広めるために、国内外の多くの人々と連携しながら活動する学会の姿勢が伺えます。

参考文献

• - 国際浮世絵学会編『浮世絵芸術』第130号（1998年）
• - 国際浮世絵学会創立50周年記念誌委員会編集『国際浮世絵学会五十年のあゆみ』（2012年）
• - 小林忠「国際浮世絵学会の歩み」（安村敏信編『浮世絵図鑑』平凡社、2014年）

このように、国際浮世絵学会は、日本の伝統芸術を守り育て、国内外の文化交流を促進するための重要な機関として活動しています。

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