国際純粋・応用物理学連合

国際純粋・応用物理学連合（IUPAP）について

国際純粋・応用物理学連合（International Union of Pure and Applied Physics、略称IUPAP）は、物理学の進歩と国際的な協力を目的とした、各国の物理学会や学術機関が参加する連合組織です。国際科学会議（ICSU）を構成する主要な非政府組織（NGO）の一つとして、世界の物理学界を牽引しています。

設立と歴史

IUPAPは1922年、ベルギーのブリュッセルで設立総会が開かれ、アメリカ、イギリス、カナダ、南アフリカ連邦、フランス、オランダ、ノルウェー、デンマーク、ポーランド、スペイン、スイス、そして大日本帝国を含む13か国の物理学会が参加しました。設立には、ヘンリー・ブラッグ、マルセル・ブリュアン、ロバート・ミリカン、長岡半太郎といった著名な科学者たちが名を連ねています。翌1923年にはパリで初の総会が開催され、以降、物理学の発展に大きく貢献してきました。現在では、59の国と地域が加盟しており、世界的な物理学コミュニティの中核を担っています。

組織と運営

IUPAPの組織は、3年ごとに開催される総会（General Assembly）が最高意思決定機関であり、理事会（Executive Council）と18の専門分野別委員会（Commission）によって運営されています。各国の物理学関連学会には平等な投票権が与えられており、民主的な運営が行われています。事務局は現在、アメリカ合衆国東部のメリーランド州に置かれており、総会での決定に基づき、様々な事務処理を行っています。

活動内容

IUPAPは、物理学の国際的な発展を促進するために、以下のような活動を行っています。

国際会議やワークショップの開催: 各専門分野における最新の研究成果を発表し、情報交換を行う場を提供します。
若手研究者の育成: 若手物理学者を対象とした様々なメダルや賞を授与し、その業績を称え、さらなる研究を奨励しています。
国際的な協力の推進: 世界各国の物理学者間の連携を深め、共同研究や研究交流を促進します。
物理学教育の促進: 教育プログラムや教材の開発を支援し、物理学教育の質的向上を図ります。

その他の関連事項

IUPAPは、国際科学会議（ICSU）のメンバーとして、他の科学分野の国際組織とも連携しています。主な関連組織としては、国際純正・応用化学連合（IUPAC）、国際数学連合（IMU）、国際天文学連合（IAU）などが挙げられます。これらの組織と協力し、学際的な研究や課題解決に取り組んでいます。

まとめ

国際純粋・応用物理学連合（IUPAP）は、世界的な物理学コミュニティの中核として、物理学の発展と国際協力を促進する重要な役割を果たしています。その活動は、物理学研究の進歩だけでなく、若手研究者の育成や国際的な科学交流の促進にも大きく貢献しています。

外部リンク

国際純粋・応用物理学連合（公式ホームページ、英語）
IUPAP（国際純粋・応用物理学連合）とICSU（潮田資勝） - ウェイバックマシン（2016年3月4日アーカイブ分）（PDF文書）

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