国際返信切手券

国際返信切手券（International Reply Coupon: IRC）とは

国際返信切手券は、万国[[郵便条約]]に基づいて発行される、国際的な金券（クーポン）です。この券は、海外の郵便切手と引き換えることができ、国際[[郵便]]で返信を求める際に、受取人に金銭的な負担をかけないようにするために使用されます。

概要

1枚の国際返信切手券は、航空便の書状1通分の切手と交換できます。これは、返信用切手の代替として機能し、差出人が海外の受取人に返信を求める際に、返信用として同封します。なぜなら、外国ではその国の切手しか使用できず、また外国の切手は自国内の郵便局では購入できないためです。

この仕組みにより、為替レートやインフレーションの影響を受けることなく、最低限の国際[[郵便]]料金を海外の受取人に提供できます。返信に必要な郵便料金が最低料金を超える場合でも、複数枚の国際返信切手券を同封することで対応可能です。

ただし、この券自体を直接切手として使用することはできません。また、同一国内で比較すると、発売価格と引き換え可能な切手の額にはわずかな差があります。

券面のデザインは各国共通で、表面にはフランス語、裏面にはドイツ語、英語、アラビア語、中国語、スペイン語、ロシア語が使用されています。

使用例

国際返信切手券がよく使用される例として、海外のラジオ局への受信報告書（受信確認証、ベリカードの希望）があります。通常の文通では、お互いに切手を送り合うことが一般的であるため、国際返信切手券は必須ではありません。そのため、切手と比較すると、その知名度は低い傾向にあります。

具体的には以下のようなケースで利用されます。

受信報告書: 海外のラジオ局に受信報告書を送付し、受信確認証（ベリカード）を希望する際に同封します。複数枚同封することが一般的ですが、返信の義務は無線局側にはありません。
留学希望先の入学願書請求: 海外の大学や学校に入学願書を請求する際に、返信用として同封します。
卒業証明書等の交付請求: 海外から卒業証明書などを請求する際に、返信用として同封します。
海外の芸能人やスポーツ選手へのファンレター: 返信やサインを期待して同封されることがあります。

各国での取り扱い

日本

日本では、日本[[郵便]]の主要な郵便局で購入できます。2023年10月1日現在、1枚180円で販売されています。ただし、一部の旧特定[[郵便局]]や簡易[[郵便局]]では取り扱いがありません。

国際返信切手券は、条約により、航空便書状の最低料金分の切手、または航空書簡と交換できると定められています。日本国内で国際返信切手券を交換すると、160円分の切手と引き換えることができます。これは、封書定形郵便物25gまでであれば、航空便で地球の裏側にあたる「第三地域（南アメリカ大陸、アフリカ大陸）」まで送れる金額に相当します。

2002年1月1日以降、国際返信切手券のデザインは4年ごとに変更されるようになりました。同時に、有効期限が設定され、2001年12月31日までに発売されたものは2007年8月31日に期限切れとなりました。ただし、日本[[郵便]]では、日本国内で発売されたものを日本国内で交換する場合に限り、当分の間は交換に応じるとのことです。

2006年9月1日以降に発売されたものには、偽造防止のため、券面にホログラムが追加されました。ただし、券のサイズ（長さと幅）は変更されていません。2023年9月30日までは、130円分の切手、国際[[郵便]]はがき（70円）と60円分の切手、または航空書簡（90円）と40円分の切手と交換できましたが、国際[[郵便]]はがきと航空書簡は同日に販売を終了しています。

米国施政権下の沖縄

第二次世界大戦後のアメリカ合衆国による沖縄統治下では、「特別返信切手券」という名称で、同様の券が発行されていました。これは、沖縄から日本本土への、またはその逆の普通書状一通分の料金に相当する郵便切手と引き換えることができました。沖縄返還に伴い、この特別返信切手券は廃止されました。

関連事項

チャールズ・ポンジ: イタリア出身のアメリカの詐欺師。国際返信切手券を利用した投資詐欺で、多数の被害者を出しました。
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外部リンク

国際返信切手券 - 日本[[郵便]]
国際返信切手券の取扱国一覧 - UPU

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