国際連合シエラレオネ派遣団

国際連合シエラレオネ派遣団（UNAMSIL）

国際連合シエラレオネ派遣団、通称UNAMSIL（United Nations Mission in Sierra Leone）は、シエラレオネでの平和維持活動を目的に設立された国際連合によるPKO（平和維持活動）です。この派遣団は、1999年10月22日に国際連合安全保障理事会の決議1270により設立され、もともとは国際連合シエラレオネ監視団（UNOMSIL）を拡大した形でのものでした。

シエラレオネ内戦は、1991年に始まり、長い年月を経て1999年7月に和平合意が結ばれました。国際連合は、初めは小規模な監視団の形で和平構築活動を行っていましたが、人員が不足していたため、より大規模な軍事的介入が必要とされました。これがUNAMSILの設立につながったのです。

一方で、シエラレオネには西アフリカ諸国経済共同体（ECOWAS）の多国籍軍、ECOMOGが展開されていましたが、国連関係者の安全が脅かされていました。また、ナイジェリア軍などの主力が縮小撤退することが決まったため、UNAMSILはECOMOGの残存部隊と協力し、平和維持軍を編成する必要がありました。さらに、UNAMSILにはアフリカ外からの部隊も派遣され、より効果的な任務遂行が期待されました。

UNAMSILの主な任務には、シエラレオネ政府との協力による和平合意の実行、武装勢力の武装解除・動員解除・再統合（DDR）の促進、停戦の監視、国連職員の安全確保、各勢力間の信頼醸成、さらには人道支援や民主的な選挙の支援が含まれます。

設立からの初期、UNAMSILはECOMOGの後を引き継ぐ形で活動を開始しましたが、革命統一戦線（RUF）との衝突が続きました。そのため、当初は約8,000名の兵力が配備されていましたが、2000年2月には11,000名にまで増加しました。この時期に重要な出来事として、2000年5月にRUFがUNAMSILの部隊を包囲し、約500名の兵士が拘束される事態が発生しました。5月17日にはRUFの指導者、アハメド・フォディ・サンコーが逮捕され、数日後に国際連合安全保障理事会の決議によりUNAMSILがさらに強化されました。この拘束事件は、リベリアの仲介により月末までに解放されましたが、その後も国連兵士に対する攻撃や拘束が続きました。

2000年8月にはウエスト・サイド・ボーイズによるイギリス兵の拘束事件が発生し、9月にはイギリス軍が実力でこれを解放するという事態も生じました。UNAMSILはこれらの問題に直面しながらも、平和維持に向けた活動を続け、国際連合もダイヤモンド取引の監視を強化するなど、RUF支援国リベリアへの圧力を強めました。

その後、2001年5月には再度の停戦合意が成立し、武装解除活動が再開されます。この後の活動は順調に進展し、2002年1月には武装解除が完了しました。同年5月には大統領選挙が行われ、アフマド・テジャン・カバーが再選を果たしました。

その後、シエラレオネの安定と平和が確立される中で、UNAMSILは2005年12月に解散しました。そして2006年1月には国際連合シエラレオネ統合事務所（UNIOSIL）が設置され、シエラレオネの持続可能な発展に向けた新たな取り組みが始まりました。

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