国際連合ルワンダ支援団

国際連合ルワンダ支援団（UNAMIR）

国際連合ルワンダ支援団（United Nations Assistance Mission for Rwanda, UNAMIR）は、1993年から1996年にかけてルワンダに展開された国際連合平和維持活動です。ルワンダ紛争の和平協定（アルーシャ協定）を受けて、1993年10月5日の国際連合安全保障理事会決議872によって設立されました。

背景

ルワンダでは、1962年の独立前後から多数派のフツと少数派のツチの対立が深刻化していました。1980年代後半には、ウガンダに逃れたツチ系難民がルワンダ愛国戦線（FPR）を結成し、1990年にルワンダへ侵攻、ルワンダ紛争が勃発しました。1993年8月には、ルワンダ政府とFPRの間で和平協定が結ばれましたが、根本的な対立は解消されませんでした。

UNAMIRの設立と初期の活動

和平協定に基づき、UNAMIRはルワンダの首都キガリに展開し、停戦監視、地雷除去支援、難民帰還支援、選挙支援などの任務を開始しました。当初の規模は軍事要員約2,500名と文民警察官60名でした。しかし、和平合意の履行は遅々として進まず、国内の緊張は依然として高い状態が続きました。

ルワンダ虐殺とUNAMIRの対応

1994年4月6日、ルワンダのハビャリマナ大統領が搭乗した航空機が撃墜され、これをきっかけにルワンダ虐殺が勃発しました。フツ過激派によるツチや穏健派フツの虐殺が始まり、国内は混乱の極みに達しました。UNAMIRは、この事態を収拾・抑止する権限と能力に欠けており、虐殺を阻止することができませんでした。

ベルギー軍が犠牲者を出し撤退を開始すると、国際連合安全保障理事会はUNAMIRの規模を大幅に縮小することを決定しました。しかし、事態の悪化を受け、後に兵力増強を決定、フランス軍を中心とする多国籍軍（トルコ石作戦）が派遣され、人道支援活動を行いました。

その後の活動と撤退

1994年7月、FPRがルワンダのほぼ全土を制圧し、情勢は沈静化に向かいました。UNAMIRは、難民キャンプの治安維持や難民帰還支援などの活動を再開し、ルワンダ国家警察の再訓練を支援しました。情勢の安定化と難民帰還が進むにつれて、UNAMIRは規模を縮小し、1996年3月に撤退・解散しました。

教訓

UNAMIRの活動は、国際連合平和維持活動の限界と課題を浮き彫りにしました。特に、虐殺の初期段階における国際社会の対応の遅れは、事態を悪化させたと批判されています。UNAMIRの経験は、その後の国際連合平和維持活動のあり方に大きな影響を与え、紛争予防と早期介入の重要性を再認識させる契機となりました。

関連項目

ロメオ・ダレール

外部リンク

UNITED NATIONS ASSISTANCE MISSION FOR RWANDA

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