国際電気

株式会社国際電気：無線通信・放送映像システムの総合メーカー

株式会社国際電気（KOKUSAI DENKI Electric Inc.）は、無線通信システム、放送映像システムを主力とする日本の電気機器メーカーです。そのルーツは、戦前の国策会社である国際電気通信の狛江工場に遡ります。ここでは、同社の設立から現在に至るまでの歴史、事業内容、そして今後の展望について詳しく解説します。

設立の経緯と沿革

同社は、2000年10月1日に、日立グループに所属していた国際電気、日立電子、八木アンテナの3社が合併して誕生しました。旧国際電気を存続会社とし、無線通信機器や放送・映像機器の製造販売を統合。2023年12月27日には、日清紡ホールディングスの連結子会社となり、新たなスタートを切りました。

前身企業の歴史

旧・国際電気: 国際電気通信の狛江工場を源流とし、無線通信機器や情報処理装置、半導体製造システムを手がけていました。日本初の列車誘導無線装置や業務用電子レンジの開発など、数々の革新的な技術を生み出しました。
旧・日立電子: 芝電気株式会社として設立され、「シバデン」のブランドで親しまれました。テレビカメラの国産化に成功し、東京オリンピックにも映像機器を独占供給するなど、放送・映像機器分野で大きな貢献を果たしました。
旧・八木アンテナ: 八木・宇田アンテナの発明者である八木秀次博士が設立。国産初のスーパーターンスタイルアンテナを開発するなど、アンテナ技術のパイオニアとして業界を牽引しました。

主な事業内容

現在の国際電気は、以下の事業を柱として展開しています。

無線通信システム: 移動体通信用インフラ、防災行政無線システム、交通・運輸向け無線システムなど、社会インフラを支える様々な無線通信システムを提供しています。
情報処理システム: 証券・金融ソリューションシステム、株価通報システム、マルチメディア情報表示システムなど、高度な情報処理技術を駆使したシステムを開発・提供しています。
放送システム: ファイルベース映像報道編集・記録・送出システム、伝送・送信システム、放送カメラなど、放送局向けの様々なシステム機器を提供しています。エリアワンセグシステムや家庭用テレビ受信機器、CATV用設備・機器も扱っています。
監視システム・画像処理: 広域ネットワーク監視システム、プラント監視システム、セキュリティー監視システム、産業用カメラなど、高度な画像処理技術を応用した監視システムを提供しています。

グループ会社と事業ネットワーク

同社は、国内外に多数のグループ会社を有し、グローバルな事業ネットワークを構築しています。

HYSエンジニアリングサービス: 通信・放送・映像・情報機器/システムの保守・修理・運用支援・設置工事、計測機器の保守・修理、アンテナの設計・開発・販売などを手がけています。
五洋電子: 映像・無線ネットワーク部門の生産を担っています。
Hitachi Kokusai Linear Equipamentos Eletrônicos S/A (ブラジル): 南米における地上デジタル放送機器事業を手がけています。

今後の展望

国際電気は、日清紡ホールディングスの一員として、新たな成長戦略を描いています。無線通信、放送映像システム、情報処理システム、監視システムという4つの事業領域を柱に、技術革新とグローバル展開を加速することで、社会の発展に貢献していくことが期待されます。

株式会社KOKUSAI ELECTRIC

かつて国際電気にて営んでいた成膜プロセスソリューション事業は、2018年6月1日より株式会社KOKUSAI ELECTRICが継承しています。
バッチサーマルプロセス装置、バッチ高温アニール装置、バッチEpi-SiGe・Epi-Si装置、200mmウェーハ対応バッチサーマルプロセス装置、シリコンエピタキシャル成長装置、枚葉プラズマ窒化・酸化装置、枚葉アッシング装置などを取り扱っています。富山事業所（富山県富山市、半導体製造装置）を拠点に事業展開をしています。

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