園比屋武御嶽

園比屋武御嶽（そのひゃんうたき）は、16世紀の琉球王国・尚真王時代に創建された御嶽で、沖縄県那覇市首里真和志町に位置しています。この場所は、沖縄県指定史跡にも登録されており、琉球王国にとって非常に重要な聖地でした。

概要

園比屋武御嶽は、石門の背後にある森全体を指します。琉球国王が各地を巡航する際、必ずこの御嶽で旅の安全を祈願しました。また、聞得大君（きこえおおきみ）が就任する際には、最初にこの場所で拝礼を行うのが慣例でした。このことから、園比屋武御嶽が国家にとって特別な場所であったことが伺えます。

この御嶽には、王家である尚氏ゆかりの伊平屋島の神「田の上のソノヒヤブ」が祀られています。かつては、より広大な森が御嶽の領域でしたが、現在では一部が小学校の敷地となり、残された部分は限られています。

園比屋武御嶽石門

首里城の歓会門と守礼門の間に位置する園比屋武御嶽石門（そのひゃんうたきいしもん）は、御嶽の礼拝所として重要な役割を果たしています。この石門は、1519年に第二尚氏王統第3代王の尚真によって造られました。

石門の創建には、オヤケアカハチの乱（1500年）で王府軍が八重山へ出兵した際、将の一人であった大里親方に連れられて首里にやってきた西塘（せいとう）という人物が関わっています。

1933年（昭和8年）1月23日には、旧国宝に指定されましたが、沖縄戦によって首里城などと共に荒廃し、指定は解除されました。1957年（昭和32年）に復元され、その後、旧石門の残骸を再利用して修復作業が行われました。現在の石門をよく見ると、摩耗の度合いが異なる部分があるのは、この修復によるものです。

園比屋武御嶽石門は、1972年（昭和47年）に改めて国の重要文化財に指定され、2000年（平成12年）11月には首里城跡などとともに、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」としてユネスコの世界遺産（文化遺産）にも登録されました。

また、西塘によって創建された竹富島の国仲御嶽（くになかうたき）は、園比屋武御嶽の神を勧請した御嶽として知られています。

園比屋武御嶽は、琉球王国の歴史と文化を今に伝える重要な場所であり、その石門は、歴史の変遷と人々の祈りが刻まれた貴重な遺産です。

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