尚真王

尚真王（しょうしんおう）

尚真王（1465年 - 1527年）は、琉球王国第二尚氏王統の第3代国王です。50年に及ぶ治世で中央集権体制を確立し、文化を興隆させ、琉球王国の黄金時代を築きました。

即位までの経緯

尚真王は、第二尚氏王統の初代国王である尚円王の子として生まれました。尚円王の死後、王位は一旦、王弟の尚宣威が継承しましたが、即位式での神託により、わずか半年で退位。12歳にして尚真王として即位しました。この背景には、母后オギヤカの政治的な影響力があったと考えられています。

中央集権体制の確立

尚真王の最大の功績は、琉球王国の中央集権体制を確立し、王統の権力基盤を安定させたことです。各地に割拠していた按司（あじ、地方領主）を首里に集住させ、代わりに按司掟（あじおきて）という役人を派遣して地方を管理させました。首里に住む按司には、領地に応じた収入を保障し、位階を与え、身分に応じて冠の色や簪の種類を定めるなど、厳格な身分制度を設けました。

地方制度も改革し、現在の市町村に相当する地域を間切（まぎり）、字に相当する地域をシマとしました。また、神女（しんじょ）を組織化し、聞得大君（きこえおおきみ）の元に統括することで、祭祀における中央集権化も図りました。初代の聞得大君には、王の妹である月清（つききよ）が就任しました。

さらに、王を補佐する三司官（さんしかん）を中央官庁に設置し、政治の中枢機能を強化しました。

版図の拡大

1500年には、八重山諸島で起きたオヤケアカハチの乱を鎮圧し、1522年には与那国島を征服するなど、積極的に版図を拡大しました。これにより、宮古・八重山から奄美に至る広大な地域が琉球王国の支配下に入りました。

文化の興隆

尚真王は、文化の振興にも力を注ぎました。臨済宗を琉球に伝えた芥隠承琥（かいいんしょうこ）に帰依し、第二尚氏の菩提寺として円覚寺を創建。自らの墓陵として玉陵（たまうどぅん）を築きました。1509年には、首里城正殿の欄干に「百浦添欄干之銘」という碑文を設置し、自身の事績を後世に伝えようとしました。また、士族の教養のために三線を奨励しました。

家族

父：尚円王
母：宇喜也嘉/世添大美御前加那志
妃：居仁（尚宣威王の長女）
夫人：思戸金按司加那志、銘苅村銘苅子の娘

多くの子女に恵まれました。

まとめ

尚真王は、琉球王国の中央集権体制を確立し、王国の繁栄をもたらした名君として、後世に語り継がれています。玉陵に眠るその偉業は、今もなお琉球の人々の心に深く刻まれています。

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