園田学園大学

兵庫県尼崎市に本部を構える園田学園大学は、日本における私立大学の一つです。その歴史は古く、1938年に「捨我精進」を建学の精神として園田高等女学校が創設されたことに始まります。学校法人としての歩みは1951年に始まり、大学として設置されたのは1966年のことです。長年にわたり女子大学として教育を行ってきましたが、2025年 4月からは男女共学に移行し、大学名も「園田学園大学」に改められました。キャンパスには、園田学園女子大学短期大学部をはじめ、附属の幼稚園、中学校、高等学校も併設されており、一貫した教育環境が整っています。

大学の沿革をたどると、まず1963年に園田学園女子短期大学が開学し、家政科が設置されました。1966年には園田学園女子大学が開学し、文学部に国文学科と英文学科が設けられました。その後、短期大学に文科や幼児教育学科が新設されるなど、教育体制が拡充されていきます。1980年代には公開講座の開講や附属学が丘幼稚園の開園、新図書館・情報教育センターの完成など、地域連携や施設整備が進められました。1993年にはニュージーランドにそのだクライストチャーチキャンパスが完成し、国際交流の拠点が開設されました。また、この頃から学部・学科の再編が進み、文学部が国際文化学部に改組され、短期大学部の学科名称も変更されました。2002年には人間健康学部が新たに設置され、国際文化学部には情報コミュニケーション学科が加わるなど、時代のニーズに応じた多様な学びの分野が開設されました。その後も、未来デザイン学部の設置（後に廃止）、人間看護学科や人間教育学部の設置など、教育内容は常に進化を続けています。直近では、2021年に経営学部が新たに開設され、2025年にはこども学部こども学科が開設されるとともに、人間健康学部食物栄養学科が食マネジメント学科に名称変更される予定です。

現在の学部構成は、人間健康学部（総合健康学科、人間看護学科、食マネジメント学科）、人間教育学部（児童教育学科）、こども学部（こども学科）、経営学部（ビジネス学科）、そして短期大学部からなります。各学部・学科は、養護、健康スポーツ、幼保教育、児童教育、小中英語、企業マネジメント、公共マネジメント、国際・地域マネジメントなど、専門的なコースを提供しています。

付属施設としては、近松門左衛門や近世文学・演劇の研究を行う近松研究所や、総合生涯学習センター、情報教育センター、スポーツ振興センターなどが整備されています。また、大学コンソーシアムひょうご神戸に参加しているほか、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー、台湾、韓国、インドネシア、中国といった海外の大学とも国際交流・学術交流協定を結んでおり、グローバルな視野を育む機会を提供しています。

園田学園大学は、その教育・研究活動だけでなく、スポーツ分野での顕著な活躍でも知られています。特にテニス部は、全日本大学対抗テニス王座決定試合において、全国の女子大学の中で最多となる21回の優勝を誇ります。1991年には15連覇を達成し、2002年、2003年にも優勝を果たしました。ソフトボール部も、全日本女子ソフトボール学生選手権で複数回優勝しています。陸上競技部も近年目覚ましい活躍を見せており、2023年には日本インカレの800m走と4×400mリレー走で優勝、2024年には同大会の800m走と1500m走で優勝するなど、全国トップレベルの成績を収めています。これらの実績は、学生たちの努力はもちろんのこと、大学の教育・支援体制を示すものです。

本学の設立には、旧園田村の村長をはじめとする地域の有志の力が大きく関わっており、地域に根差した教育機関としての側面も持っています。教員には廣岡義隆氏や伊達公子氏（客員教授）、桂雀々氏（非常勤講師）、真鍋井蛙氏（非常勤講師）といった著名な名前が見られ、出身者には小説家の有川浩氏や小坂流加氏、オリンピック金メダリストの清原奈侑氏（ソフトボール）など、多分野で活躍する人材を輩出しています。

キャンパスへのアクセスは、阪急塚口駅、JR立花駅、阪神尼崎駅など、各線からバスまたは徒歩でアクセス可能です。

長年の女子教育の歴史を経て、2025年からの男女共学化により、園田学園大学は新たな時代へと踏み出します。多様な学びの機会と、伝統に培われた教育力が、これからも地域社会に貢献できる人材を育成していくことでしょう。

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