土倉麻

土倉 麻（田島麻）の生涯

土倉麻（どぐら あさ）は、1914年6月11日に京都市で生まれ、陸上競技の短距離走で名を馳せた日本のアスリートです。彼女は、1932年のロサンゼルスオリンピックに女子100メートル競走と400メートルリレー競走の二種目に出場しました。このオリンピックは、彼女にとって大きな転機となりました。

オリンピックへの道

麻は、京都府立京都第一高等女学校高等科に在学中にオリンピックへの出場権を獲得しました。当初は女子100メートル競走で予選に出場しましたが、残念ながら予選落ちとなりました。しかし、400メートルリレーでは、日本チームとして他の3名の選手（中西みち、村岡美枝、渡辺すみ子）と共にしっかりとパフォーマンスを発揮し、5位に入賞するという結果を残しました。

ロサンゼルスでの出会いと結婚

ロサンゼルス行きの船上では、同じくオリンピックに出場する田島直人に出会います。田島は三段跳びで出場し、1936年のベルリンオリンピックでは金メダルを獲得する実力者です。二人はその後、結婚し、田島姓を名乗ることになります。この結婚は、日本のオリンピック選手同士の結婚の第一号とされています。

東京オリンピックの役割

彼女は1964年の東京オリンピックでも活躍しました。この際、国立競技場でのVIPアテンドやメダルセレモニーのホステス役を務め、「コンパニオン」として参加しました。特に、麻は自身の娘と一緒にこの重要な役割を果たし、多くの訪問者の案内や交流を行いました。

晩年と文化的影響

麻は2008年4月20日に、鎌倉市の病院で大腸癌により93歳で逝去しました。彼女は長い生涯の中で、自身がスポーツ界に与えた影響やオリンピックに関わった経験を多くの人々に伝える存在でした。戦後の雑誌の記事では、田中英光の小説「オリンポスの果実」の登場人物に自身がモデルとして関わったことも語っています。

麻は「内田のモデルは私だと、よくいわれます」と自身の影響を肯定しつつ、仲間との交流を思い起こしました。彼女の存在は、日本の陸上競技界においても輝かしい歴史の一部として今もなお語られています。彼女の業績は、次世代のアスリートたちにも引き継がれ、インスピレーションを与えているのです。

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