土岐銀次郎

土岐銀次郎は、1894年（明治27年）3月11日に生まれ、1976年（昭和51年）4月1日に没した日本の内務官僚です。旧姓は三宅で、和歌山県出身です。最終学歴は東京帝国大学法科大学政治学科卒業。

1916年に土岐嘉平の養子となり、土岐姓を名乗るようになりました。1917年7月に東京帝国大学を卒業後、同年10月には文官高等試験行政科試験に合格し、内務省に入省しました。最初の赴任地は岡山県属で、その後、東京府属、内務属などを歴任しました。地方官としては、栃木県河内郡長、岐阜県理事官、東京府理事官、帝都復興院事務官、静岡県学務部長、愛知県書記官・学務部長、三重県書記官・警察部長などを務めました。復興局や復興事務局でも書記官として活躍し、山梨県や山形県でも書記官を歴任しました。大阪府では部長・総務部長を務めています。

1935年5月には富山県知事に就任し、戦時体制の整備に尽力しました。1938年4月には埼玉県知事に転任し、戦時下の対応や水害からの復旧に尽力しました。1941年1月に知事を退任し、その後、内務省を退官しました。戦時中は、戦時物資活用協会理事長を務め、1944年から1945年にかけては東京新聞副社長を務めました。

戦後、公職追放の対象となりました。土岐銀次郎の妻は土岐嘉子で、養父である土岐嘉平の長女です。兄の三宅哲一郎は駐チリ公使を務めていました。

土岐銀次郎は、地方行政に長く携わり、戦時下においてもその手腕を発揮しました。富山県知事時代には戦時体制の整備に尽力し、埼玉県知事時代には戦時下の対応や水害復旧に尽力したことが特筆されます。また、東京新聞副社長としてメディアの運営にも関わりました。その功績から、1940年（昭和15年）8月15日には紀元二千六百年祝典記念章を受章しています。

土岐銀次郎は、内務官僚として、激動の時代を駆け抜けた人物でした。彼の足跡は、日本の近代史を理解する上で重要な手がかりとなります。

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