土岐頼布

土岐頼布（とき よりのぶ）は、江戸時代後期に上野国沼田藩の第7代藩主を務めた人物です。従五位下・山城守、美濃守の官位を有し、沼田藩土岐家10代当主にあたります。

生涯

頼布は、第3代藩主・土岐定経の七男として生まれました。彼が藩主となるまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。天明2年（1782年）から寛政2年（1790年）にかけて、頼寛、定吉、定富という3人の兄が相次いで家督を継承しましたが、いずれも早世するという不幸に見舞われたのです。その結果、頼布が家督を継ぐこととなりました。

文化10年（1813年）3月19日、頼布は養嗣子の頼潤に家督を譲り、隠居しました。その後、天保8年（1837年）3月8日に63歳でその生涯を閉じました。

系譜

頼布の系譜は以下の通りです。

実父: 土岐定経
養父: 土岐定富（定経の五男）
正室: 橘（松平忠祇の娘）
子女:
錠 - 西尾忠受正室、土岐頼功の養女
養子: 土岐頼潤（阿部正倫の五男）

補足

土岐頼布は、藩主として特筆すべき事績があったという記録は多くありません。しかし、相次ぐ藩主の早世という異常事態の中で家督を継ぎ、藩政を滞りなく運営したことは評価されるべきでしょう。彼の存在は、激動の時代における大名家の存続という、歴史の一側面を映し出していると言えるかもしれません。

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