土曜ひる席

『土曜ひる席』は、1967年4月8日から1978年4月1日までNHK総合テレビで放送されていた、大阪放送局制作の演芸バラエティ番組です。番組開始当初はモノクロ放送でしたが、1969年4月5日からはカラー放送に移行しました。

番組の核となるのは、スタジオでの公開形式で行われる演芸ショーです。特に漫才は番組の基調となっており、10分間の漫才を中心に、落語、奇術、曲芸、歌、声帯模写、郷土芸能、伝統芸能など、幅広いジャンルの演芸が披露されました。従来の舞台と客席が分離した形式だけでなく、客席の前に演者が立ったり、客席の中で演者が座って口演するなど、観客と演者の一体感を醸成するような演出も積極的に取り入れられました。これにより、観客はより身近に演芸を楽しむことができたと言えるでしょう。

番組の放送時間は、毎週土曜日の12時20分から12時45分までの25分間でした。この時間帯は、多くの人々が昼食を終え、午後の活動を始める前のリラックスできる時間帯であり、幅広い視聴者に親しまれました。

司会者は、放送期間中に何度か交代しています。初代司会は、1967年度に夢路いとし・喜味こいしが担当。1968年度から1969年度は小島秀哉、小島慶四郎が、1970年度は山内賢、山田美也子が務めました。その後、1971年度から1974年度は末広真樹子（後の末広まきこ）と海原千里・万里が、1975年度から1977年度は桂三枝（現・六代桂文枝）が司会を務めました。このように、時代を彩る人気者が司会を務めたことからも、番組の人気ぶりが伺えます。

番組の制作には、構成として織田正吉、池田幾三、居村哲也、中田明成が、音楽として奥村貢が携わりました。彼らの手によって、番組はより魅力的なものへと昇華しました。

関連番組として『ひるのプレゼント』が挙げられます。また、NHK放送史の公式サイトでは、『土曜ひる席』に関する詳細な情報が公開されており、当時の映像や資料を通じて番組を振り返ることができます。

『土曜ひる席』は、昭和のテレビ史における演芸番組の代表的な作品の一つであり、多様な演芸と工夫を凝らした演出を通じて、多くの視聴者に笑顔と活力を届けました。その功績は、今もなお語り継がれています。

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