土曜映画劇場

『土曜映画劇場』

『土曜映画劇場』は、テレビ朝日系列で放送されていた映画番組で、1968年10月5日から1977年6月25日までの約9年間にわたり、視聴者を楽しませました。元々は『土曜洋画劇場』が日曜の21:00枠に移動する際の補完番組としてスタートし、その後も多くのファンを持つ存在となりました。

放送の背景と構成

この番組は、もともと土曜日の夜に放送されていた『土曜洋画劇場』が日曜へ移行した後、空いた枠を埋める形で始まりました。開幕のオープニングは、ケーシー高峰が愛犬と共に登場するユーモラスなもので、多くの視聴者の心を掴みました。また、エンディングにはグスターヴ・ホルストの『惑星』の「木星」が流れ、映画を見たあとの余韻を楽しむことができました。

番組は1975年3月29日までは毎日放送で放送されましたが、その後、腸捻転の解消に伴って朝日放送に移行しました。解説を担当した児玉清は、人気洋画の購入時にC級作品も付いてくることが多く、そのために放送の場が必要とされたのではないかと、本人の著書の中で述べています。このような背景から、しばしば質の低い映画が流れることもありましたが、児玉はそのような作品に対して厳しい批評をする中で、監修者たちから「褒めるように」との指導を受けることもあったといいます。

放送時間の変遷

『土曜映画劇場』の放送時間は、基本的に土曜日の21:00からの約1時間半であり、年によって若干の変更がありました。放送初期の1968年から1972年までは21:00から22:26まででしたが、1972年以降、放送時間は段階的に短縮され、1975年以降は22:24までとなりました。青森放送のようなクロスネット局では、1時間遅れの22:00から放送されていました。

解説者について

この番組には、様々な解説者が登場しました。初代の木崎国嘉は1969年から1970年まで、次いで増田貴光が1970年から1974年、さらに筈見有弘が1974年から1975年まで担当しました。最後の解説者である児玉清は1975年から最終回までを飾り、彼の魅力的な語り口は視聴者にとって大きな楽しみの一つとなっていました。

番組の終焉と後の影響

『土曜映画劇場』は、洋画の保有本数が減少する中で徐々に放送が減り、最終的には自然消滅する形で1977年に幕を閉じました。番組終了後、フジテレビが1981年に開始した『ゴールデン洋画劇場』は、テレビの映画枠の中で新たな人気を博すこととなります。このように、『土曜映画劇場』は日本のテレビ映画放送の歴史において重要な役割を果たし、多くの視聴者に親しまれてきた番組でありました。

今でもその記憶は、多くの映画ファンの心に残っています。

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