土浦ニューウェイ

土浦ニューウェイとは

土浦ニューウェイ（つちうらニューウェイ）は、茨城県土浦市の土浦駅東口から学園大橋付近までを結ぶ、全長約3kmの高架道路です。都市計画道路「土浦阿見都市計画道路 3・2・30号土浦駅東・学園線」の一部として、1985年に開通しました。建設期間の短さと、市街地の上空を走る姿から、「土浦の首都高」と呼ばれることもあります。

概要

土浦ニューウェイは、土浦市中心部の港町一丁目から田中三丁目までを結び、その経路は、土浦市港町一丁目から、有明町、川口一・二丁目、中央一丁目、桜町三・四丁目、大町、大手町、千束町、生田町、文京町、田中一・二・三丁目、そして大字佐野子へと続いています。この道路は、1985年に開催された国際科学技術博覧会（科学万博）の際に、土浦駅東口から筑波研究学園都市へのシャトルバスの経路として開通しました。現在では、土浦全国花火競技大会の際にも、会場と土浦駅東口を結ぶシャトルバスの経路として利用されています。

この高架道路は、最高速度が40～50km/hに制限された上下線合わせて2車線の道路です。交差点や信号はなく、3か所のバスストップが設けられています。通行可能な車両は、普通乗用車、普通貨物自動車、大型を含むバス、小型特殊自動車に限られ、大型貨物自動車、自動二輪車、自転車、歩行者の通行は禁止されています。これは、商店街や住宅が密集する市街地に高架道路があるため、安全上の配慮によるものです。

土浦ニューウェイのうち、茨城県道24号土浦境線の上部を通る部分は県道のバイパスとして扱われ、それ以外の部分は土浦市が管理しています。

歴史

土浦ニューウェイは、1985年の国際科学技術博覧会（つくば'85）の開催に合わせて建設された高架街路です。この開通により、土浦市は地方都市としては初めて中心市街地に高架街路を導入した自治体となりました。当初、建設省街路課から茨城県土木部に対し、常磐線仮設駅（万博中央駅）から博覧会会場への立体街路建設計画が持ちかけられましたが、県は、仮設駅の撤去や市街地の交通渋滞緩和、筑波研究学園都市との連携強化の必要性から、土浦駅東口から市街地を抜ける3kmの場所に高架街路を建設する計画に変更しました。

この計画は、土浦市の賛同を得て1982年12月に公表されました。総事業費は132億円（当時）で、土浦市と茨城県がそれぞれ事業を担当し、1983年11月の着工から約1年3ヶ月という短期間で完成しました。設計にあたっては、市街地を通るため美観が重視され、Y字型のスレンダーな橋脚と、一体感のある意匠構造が採用されました。

万博開催期間中は、土浦駅東口から高架道路を経由して、国鉄や民間バス会社が連絡輸送を行い、万博客の輸送に貢献しました。

年表

1982年12月14日：土浦市が土浦高架街路の構想を発表
1983年 3月31日：都市計画決定について建設大臣認可
1983年4月14日：都市計画決定（土浦阿見都市計画道路 3・2・30号土浦駅東・学園線）
1983年 6月2日：土浦市有明町 - 桜町四丁目・大手町（土浦市事業区間）の都市計画事業認可
1983年 6月27日：土浦市桜町四丁目・大手町 - 佐野子（県事業区間）の事業認可
1983年 11月25日：県、市とも下部工事に着手
1985年 2月18日：茨城県施工区間を県道土浦境線に指定
1985年 3月2日：開通
* 1985年 3月17日：国際科学技術博覧会開幕（- 9月16日まで開催）

バス路線

土浦ニューウェイには歩道がなく、バス停留所は、高架上に設けられた歩行者用スペースと地上からの連絡階段でアクセスします。これは、埼玉新都市交通伊奈線（ニューシャトル）の高架駅の構造に類似しています。

バス停留所は、川口町、桜町四丁目、田中町の上下線に3か所あります。しかし、停車するバスの本数は少なく、利用者はあまり多くありません。関東鉄道の路線バスが運行していますが、高架上の停留所ではなく、地上の停留所を利用することが一般的です。また、土浦全国花火競技大会開催時には、臨時シャトルバスが運行されますが、高架部には停車しません。

新交通システムとの関連

土浦ニューウェイは、科学万博に合わせて計画された新交通システム（案内軌条式鉄道等）の遺構であるという誤解が広まっていますが、実際には、当初から道路用高架として計画されました。ただし、1970年代には、筑波研究学園都市と常磐線を結ぶモノレール計画があり、将来的な交通需要増加時には新交通システムへの転換も考慮されていました。しかし、新交通システムには統一された規格がなく、バリアフリー対策など現在の都市交通基準とは大きく異なるため、実際に新交通システムへの転用は困難と考えられます。

都市計画としての評価

土浦ニューウェイは、その独創的な都市計画が評価され、公益社団法人日本都市計画学会の石川奨励賞を1985年度に受賞しました。受賞理由は、土浦市中心部に高架道路を通すことで駅へのアクセスを改善し、高架下をショッピングモールとして活用することで、地域分断を避け、商店街の活性化を図った点が評価されたものです。

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