在ドイツ日本国大使館

在ドイツ日本国大使館の概要

在ドイツ日本国大使館（Botschaft von Japan in Deutschland）は、ドイツ国内に位置する日本の大使館であり、外務省の特別機関です。この大使館は、ドイツの再統一により1991年にボンにあった大使館とベルリンにあった日本国大使館が一つに統合されて設立されました。また、1999年にはベルリンの日本総領事館が閉鎖され、大使館に統合されています。

歴史的背景と建物

現在の大使館の建物は、1938年から1942年にかけて建設されました。この建設はナチス・ドイツ時代の「世界首都ゲルマニア」計画の一環として行われ、著名な建築家ルートヴィヒ・モースハマーが設計を手がけました。建物の内装はツェーザル・ピンナウによって施されています。当時、日本とドイツは枢軸国として同盟を結び、ベルリンにおける大使館は日本のヨーロッパにおける重要な外交拠点でした。

しかし、第二次世界大戦中、この大使館は厳しい戦火に見舞われました。1943年11月に行われたベルリン空襲では大きな損傷を受け、1945年の末期にはベルリン市街戦でも被害を受けましたが、幸いにも全壊は免れました。戦後、この建物は一時的に光学写真技術学校として利用されたものの、その後長期間使用されず、冷戦によるベルリンの分断の影響で放置されていました。

1986年から日本政府はこの建物の修復作業に着手しました。特に損傷の激しい旧大使公邸部分は取り壊され、その後、著名な建築家黒川紀章と山口泰治の設計に基づき再建されました。1988年からはこの再建された建物がベルリン日独センターとして利用されるようになりました。

1990年には東西ドイツの統一が実現され、翌1991年には日本大使館がボンからベルリンに移転しました。これに伴い、1998年には日独センターが別の地域に移転し、約50年ぶりに日本大使館としての機能が再開されたのです。

大使館の所在地と管轄範囲

在ドイツ日本国大使館は、ベルリンのミッテ区に位置しています。その住所は「〒10785 ドイツ連邦共和国 ベルリン市 ミッテ区 広島通り 6番地」です。この大使館が管轄する地域には、ベルリン州、ブランデンブルク州、メクレンブルク＝フォアポンメルン州、ザクセン州、ザクセン＝アンハルト州、テューリンゲン州が含まれます。一方で、他の地域に関しては各地にある総領事館が責任を持っています。

著名な外交官たち

在ドイツ日本国大使館には、多くの著名な外交官が勤務していました。中には、元税務大学校長青木直幸や元大阪高等検察庁検事長の上冨敏伸などもいます。また、元宮内省の上野季三郎や初代駐西ドイツ大使館防衛駐在官の堀栄三など、様々な分野で活躍した人物が在勤していました。

このように在ドイツ日本国大使館は、歴史的にも多くの変遷を経て、現在も日本とドイツとの関係を深める重要な役割を果たしています。

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