上野季三郎

上野季三郎（うえの すえさぶろう）

生涯

上野季三郎は、1864年4月11日（元治元年3月6日）に現在の秋田県由利本荘市岩城で生まれ、1933年（昭和8年）2月28日に生涯を閉じました。彼は、日本の外交官、そして宮内官僚として、明治から昭和初期にかけて重要な役割を果たしました。

教育と初期のキャリア

上野季三郎は、亀田藩の藩校である長善館で学び、その後、1887年に高等商業学校（現在の一橋大学）を卒業しました。この学校での学びは、彼の後のキャリアにおける基礎となりました。

卒業後、ドイツ公使館に書記として勤務し、外交官としてのキャリアをスタートさせました。その後、1897年には香港二等領事に任命され、海外での領事としての活動を開始しました。

サンフランシスコ領事としての活動

1901年、上野季三郎はサンフランシスコ領事に着任しました。当時、アメリカ合衆国では排日運動が激化しており、日本人が公立学校への入学を拒否されるなど、深刻な問題が発生していました。

上野季三郎は、これらの問題に対して積極的に対応しました。カリフォルニア州知事に対して抗議を行うなど、日本人の権利を守るために尽力しました。この時の彼の行動は、日本とアメリカの関係において重要な役割を果たしました。

その後のキャリア

1907年にはシドニー総領事に任命され、オーストラリアでの外交活動を行いました。1909年には宮内大臣秘書官兼式部官に就任し、宮内省での勤務を開始しました。1914年には大膳寮勤務宮内事務官を兼務し、1917年には大膳頭に就任しました。これらの役職を通じて、皇室の儀式や食事に関わる重要な役割を担いました。

1929年には、長年の功績が認められ、勲一等瑞宝章を受章しました。彼の外交官、そして宮内官僚としての功績は、高く評価されています。

家族と系譜

上野季三郎の旧姓は中田であり、内大臣秘書官を務めた中田直慈は実兄です。また、その息子である中田薫元貴族院議員は甥にあたります。上野季三郎の娘は、服部時計店第2代社長の服部玄三と、参議院議員などを務めた團伊能に嫁ぎました。

遺産

「上野季三郎外交関係文書」は、国立公文書館アジア歴史資料センターに収蔵されており、彼の外交官としての活動を研究するための重要な資料となっています。墓所は青山霊園にあります。

上野季三郎は、激動の時代を生き抜き、外交官、宮内官僚として日本に大きく貢献しました。彼の生涯は、日本の歴史において重要な位置を占めています。

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