在外同胞援護会救療部

在外同胞援護会救療部について

在外同胞援護会救療部（ざいがいどうほうえんごかいきゅうりょうぶ）は、外務省の外郭団体である在外同胞援護会の一部門として、戦後の引揚者の医療支援に特化した部隊です。この機関は、終戦後の混乱した時期に避難民の医療を担当していた京城帝国大学医学部の医療チームが中心となって設立されました。これにより、朝鮮の京城府（現在のソウル特別市）に存在した京城日本人世話会罹災民救済病院が救療部の一部として機能することとなりました。

設立と本部

救療部は福岡県福岡市の聖福寺に本部を設け、引揚者に対する医療サポートを行っています。特に、戦争から帰還する人々に必要な医療支援を提供することで、彼らの健康を守る重要な役割を果たしてきました。引揚者の状況に応じて、迅速かつ適切な医療を提供するために、専門の医師や看護師が派遣されるシステムが整っています。

業務内容

在外同胞援護会救療部の主な業務は、以下の通りです:
1. 医師や看護婦の派遣: 引揚船に医療スタッフを派遣し、航海中の引揚者の健康管理を行います。
2. 検疫作業: 引揚者が帰国する際の健康状態を確認し、感染症の拡大を防ぐための検疫業務を実施します。
3. 医療物資の援助: 引揚待機者に対して必要な医療品を提供し、彼らが帰国する準備を整える支援を行います。
4. 引揚者の治療: 戦争によって影響を受けた人々に対して、必要な治療を施し、復旧を助ける医療サービスを提供します。

地方組織

国内の医療支援体制を強化するため、救療部は複数の地方支部を持っています。以下は、その主要な支部一覧です:

• - 京城支部: 朝鮮の京城での活動を行う支部。
• - 釜山支部: 釜山港を中心に医療支援を展開します。
• - 葫芦島支部: 地元住民への支援も行う重要な拠点です。
• - 博多診療所: 博多地区での診療を担当。
• - 仙崎出張所: 近隣地域に対して出張形式で医療サービスを提供します。
• - 舞鶴出張所: 舞鶴地域にて引揚者支援を実施。
• - 広島出張所: 広島地区にフォーカスした医療業務。
• - 唐津出張所: 地元のニーズに応じたサービスを提供します。
• - 佐世保出張所: 佐世保における医療支援を行っています。

関連項目

この救療部の活動を理解するためには関連する事象や機関についても知っておくことが重要です。例えば、引き揚げや引揚者に関する歴史的な背景、また京城帝国大学、京城日本人世話会罹災民救済病院の役割についてもあわせて学ぶことが有益です。その他にも外務省や在外同胞援護会、引揚援護庁など、相互に関連する機関との連携も重要な要素です。

これらの情報を通じて、在外同胞援護会救療部の歴史や機能を理解し、引揚者に対する医療支援がいかに重要であったかを知ることができます。

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