在日朝鮮統一民主戦線

在日朝鮮統一民主戦線（以下、民戦）は、1951年に在日朝鮮人によって設立された組織です。その略称は「民戦」として知られています。

民戦が結成される以前、在日本朝鮮人連盟（朝連）が1949年9月に解散した後、その役割を暫定的に担っていたのは「朝鮮解放救援会」でした。その後、全国組織として1950年4月に「朝鮮人団体協議会」が発足しましたが、2ヶ月後に勃発した朝鮮戦争が、より強力な組織の必要性を生み出すことになります。

こうした背景のもと、1951年1月、北朝鮮政府を支援することを目的として民戦が結成されました。民戦は、日本共産党と連携し、合法的な政治活動を積極的に展開しました。同時に、非合法な活動は「祖国防衛隊」が担当し、日本共産党の非合法組織である山村工作隊や中核自衛隊と協力関係にありました。これらの組織は、北朝鮮との間で秘密裏に人的交流を行うために、日本共産党の「人民艦隊」に協力していました。また、朝鮮戦争休戦直後から、日本近海で不審船が目撃されるようになったのも、この時期の特徴的な出来事です。

民戦は、朝鮮総連が結成されるまでの間、在日朝鮮人社会における重要な組織としての役割を果たしました。しかし、1955年に朝鮮総連が結成されたことにより、民戦はその役割を終え解散しました。

民戦の活動は、朝鮮戦争という激動の時代背景の中で、在日朝鮮人社会がどのような組織を必要とし、どのように活動していたのかを示す、重要な事例の一つと言えるでしょう。参考文献として、当時の状況を克明に記録した検察研究所の資料や、在日朝鮮人運動に関する研究書などが挙げられます。これらの資料は、民戦の活動をより深く理解するための貴重な手がかりとなります。

関連するキーワードとしては、在日韓国・朝鮮人、在日本朝鮮人連盟、朝鮮戦争、板門店、日本共産党、山村工作隊、中核自衛隊、祖国防衛隊、そして在日本朝鮮人総聯合会（朝鮮総連）などが挙げられます。これらのキーワードは、民戦の活動を理解する上で、重要な手がかりとなります。

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