在郷軍人会の概要
在郷
軍人会とは、現役を退いた
軍人が構成する団体であり、日本では主に
予備役に所属する者たちがメンバーとなります。この組織は一般的に「退役
軍人会」と呼ばれ、活動内容は多岐にわたります。
日本における歴史
戦前、日本において在郷
軍人会は、現役を離れた
軍人が所属していた団体でした。全国規模で組織化されたものとしては、
1910年に設立された「帝国在郷
軍人会」があります。この会は
伏見宮貞愛親王を
総裁として発足し、主に
予備役及び後備役の
軍人を対象としたものでした。設立当初は陸軍のみの組織でしたが、
1914年からは海軍もその対象に加わり、陸海軍共通の組織へと発展していきました。
目的と活動
帝国在郷
軍人会の目的は、
軍人の
精神を向上させることや、傷痍
軍人、遺族の救護など、多岐にわたりました。その具体的な事業には、奉読式や
軍人精神の鍛錬、
軍事学術の研究、祝典の開催、戦没者への慰霊、徴兵志願者の検査などが含まれていました。会員は、陸海軍の記念日などに行われる各種の祭典や、
精神修練に関する講演を受ける機会も得られました。
組織構成
この団体は東京の
陸軍省に本部を構え、各府県ごとに支部、
市町村ごとに分会を設置していました。支部や分会の活動は、地元の師団司令部や連隊区司令部によって指導・監督されていました。会員は、正会員、特別会員、名誉会員の3種に分類され、
1931年の統計では、陸軍の会員数は2,581,109名、海軍は62,624名でした。
軍部との関係
1936年には、帝国在郷
軍人会令が公布され、
陸軍省と
海軍省の共同管理下に置かれることとなりました。その後、軍部の政治力強化に協力する形で活動を展開しました。しかし、
1945年に終戦によって
解散が宣言され、同年11月には関連法令も廃止されることとなりました。
現在の状況
現在、こうした活動を引き継いでいる組織として挙げられるのは、
自衛隊員のOBを中心に構成される
公益社団法人「隊友会」です。このように、在郷
軍人会は歴史の中で重要な役割を果たし、現在の組織へとつながっています。
歴代会長
在郷
軍人会の歴代会長には、陸軍大将・
寺内正毅や、元帥・川村景明、さらに
予備役の陸軍大将たちが名を連ねています。彼らは会の活動を牽引し、組織を支えてきました。
まとめ
在郷
軍人会は、日本における
軍人の支援や社会奉仕の重要な役割を担っていました。現在にも影響を及ぼすその歴史や活動は、国内外の
軍人団体にとっても参考となる存在です。