地底の森ミュージアム

地底の森ミュージアム

地底の森ミュージアム（ちていのもりミュージアム）は、宮城県仙台市太白区長町南に位置する博物館です。正式名称である仙台市富沢遺跡保存館は、1996年に開館しました。このミュージアムは旧石器時代から近世にかけての遺構が堆積した富沢遺跡を中心に設計されており、特に約2万年前の遺構面が保存され、展示されています。また、館外では氷河期の植生を再現した屋外展示が行われています。

歴史

地底の森ミュージアムの敷地は、当初仙台市立長町南小学校の建設予定地でした。しかし、1988年に行われた予備調査で、2万年前の森林跡や旧石器人のキャンプ跡が発見されることになります。この遺跡は人類と自然の関係を示す重要な発見とされ、結果として小学校の建設計画は変更され、遺跡の保存と公開が検討されることとなりました。

1990年には基本構想策定委員会が設けられ、考古学を基盤とした総合博物館の設計が進められることに。1994年から建設が始まり、1996年11月に地底の森ミュージアムが開館しました。オープン当初から、来館者スペースの大部分が遺跡の公開・展示に充てられる方針が取られ、これが遺跡保存館としての特徴となります。生涯学習活動の推進も基本方針の一環として盛り込まれました。

2007年には累計入場者数が50万人を超えるなど、地域にとって重要な文化施設としての役割を果たしています。

施設の特徴

地底の森ミュージアムの敷地面積は約1万4263平方メートルで、屋内展示施設と屋外の氷河期の森から構成されています。

屋内展示

施設内の建物は鉄骨鉄筋コンクリート構造で、地上1階と地下1階からなります。地上階には常設展示室、企画展示室、展望ラウンジなどが設置され、地下階には受付や埋没林の常設展示があります。特徴的なのは、遺跡を発掘した状態で展示するために地下に床が設けられないことです。その代わり、地下水の侵入を防ぐために、厚さ80センチメートルの外壁を地下20メートルに渡って築いています。不完全ながら、地下水が一部侵入し、遺跡表面に結晶を生成することになります。更に無色・無臭の保存処理剤が使用されており、カビなどの発生防止に寄与しています。

氷河期の森

館外の「氷河期の森」では、2万年前の氷期の植生が再現されています。ここではアカエゾマツやグイマツ、シラカンバなどの木本が使用され、草本としてはアキカラマツやミズバショウなどが見られます。これにより、来館者は過去の自然環境を体感することができるのです。

アクセス

地底の森ミュージアムへのアクセスは便利で、仙台市地下鉄南北線の長町南駅から徒歩約5分、JR東北本線の長町駅から徒歩約20分です。また、25台分の無料駐車場も完備されています。

まとめ

地底の森ミュージアムは、宮城県仙台市において、旧石器時代の貴重な遺構や氷河期の自然環境を体験できる博物館です。歴史的な価値を持つ遺跡を保存・展示することで、訪れる人々に教育の場ともなっており、地域文化の保存にも寄与しています。訪問することをお勧めします。

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