地方公共団体金融機構

地方公共団体金融機構の概要

地方公共団体金融機構（ちほうこうきょうだんたいきんゆうきこう）は、全ての地方公共団体が出資する法人であり、地方公共団体の事業向けに長期かつ低利の資金を融資することを主目的としています。この機構は、地方公共団体金融機構法に基づいて設立され、地域経済の安定化と発展をサポートする役割を担っています。

設立の経緯

この機構は2008年10月1日に公営企業金融公庫から権利・義務を引き継ぎ、地方公営企業等金融機構として業務を開始しました。その後、2009年6月1日には地方公共団体金融機構に改組され、これにより公営企業債だけでなく一般会計債も対象にした融資が可能になりました。

この業務改組が行われた背景には、2006年からの政策金融改革があり、地方公共団体が共同で事業を運営するための機関を設立することが目的でした。アプローチは地方自治の原則に基づき、国からの直接的な関与を避ける形で進められました。

政府の経済対策と機構の役割

2008年10月30日には、政府が「生活対策」と名付けた新しい経済対策を決定しました。その中では、地方公共団体の支援による財政基盤の確立が重点的に扱われました。これにより、地方財政審議会による検討を経て、既存の地方公営企業等金融機構が改組され、一般会計への貸付を可能にすることが求められました。

業務内容

地方公共団体金融機構の主な業務は、地方公共団体への貸付や資金調達支援、さらには公庫債権の管理を含みます。融資の対象は地方公共団体に限定され、地方道路公社や土地開発公社は除外されています。また、発行される債券は政府の保証がない一般担保付債券です。過去に発行されていた政府保証債の借換えだけは、引き続き政府保証がついています。

最近の数字として、平成25年度末時点での貸付残高は23兆829億円、債券発行残高は19兆5,333億円となっており、これらの資金は公的資金として地方債計画に計上されています。加えて、財務基盤の安定を確保するための準備金が設置されています。

公営競技納付金と問題点

地域資金の調達を支援するため、機構は公営競技の収益金を一部地方公共団体に納付させ、貸付金利の軽減を目指しています。この納付金は0.9兆円の公営企業健全化基金として活用されています。

しかし、機構は前身の公営企業金融公庫からの流れで、政府保証外債の発行についての必要性や、融資審査における地域債協議制度の依存については疑問の声も存在しています。常に変わりゆく社会の中で、地方公共団体への支援を一層強化するためには、これらの問題点に対処する必要があります。

結論

地方公共団体金融機構は、地域の財政安定に寄与する重要な役割を果たしていますが、今後もその運営や融資体制についての議論が必要です。地方公共団体が直面するさまざまな課題を解決し、持続的な発展を図るためには、さらなる改革が求められるでしょう。

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