地球最後の日

地球最後の日

『地球最後の日』（When Worlds Collide）は、フィリップ・ワイリーとエドウィン・バーマーによって書かれたSF小説で、1932年から1933年にかけて雑誌連載され、1933年に単行本として出版されました。日本では『地球爆発』、『地球さいごの日』というタイトルでも翻訳されています。

概要

この作品は、宇宙から飛来した天体が地球に衝突するという、当時としては斬新な設定で描かれています。このテーマは、後のSF作品に大きな影響を与え、多くの「終末もの」や「パニックもの」と呼ばれる作品の先駆けとなりました。例えば、『妖星ゴラス』、『メテオ』、『宇宙戦艦ヤマト 完結編』、『ディープ・インパクト』、『アルマゲドン』などが、この作品の流れを汲む作品として挙げられます。

あらすじ

物語は、南アフリカの天文学者スヴェン・ブロンソン博士が、地球に衝突する軌道を持つ2つの放浪惑星を発見するところから始まります。ブロンソン博士は、その惑星の写真をデイヴィッド・ランズデルに託し、アメリカの物理・天文学者コール・ヘンドロン博士に届けさせます。ヘンドロン博士とその研究チームは、写真の分析から、これらの惑星が確実に地球に衝突すること、そして、そのうちの1つ（ブロンソン・アルファ）が地球よりもはるかに大きいことを突き止めます。

さらに、もう1つの惑星（ブロンソン・ベータ）は地球ほどの大きさで、大気や植物が存在する可能性があること、そして、アルファと地球が衝突した際に、ベータはアルファの引力から離れて地球の公転軌道に乗ることが判明します。この分析結果を受け、ヘンドロン博士とアメリカ政府は、人類が生き残るためには、宇宙ロケットを建造して、ベータに移住するしかないという結論に至ります。しかし、ロケットの建造期間は限られており、誰をロケットに乗せるのかという問題も浮上します。

ロケットの建造が進む中、放浪惑星は地球に接近し、地震や洪水が頻発し、社会は混乱していきます。そのような状況下で、ヘンドロンのチームは様々な困難を乗り越えながら、ロケットの完成を目指します。

映画化

1951年には、ジョージ・パル製作、ルドルフ・マテ監督により、パラマウント映画で映画化されました。映画は、原作の基本的なストーリーを踏襲していますが、一部の設定が変更されています。

リメイク

パラマウントは、スティーヴン・ソマーズ監督によるリメイク版を2010年に公開する予定であるという報道がありました。

日本語訳

1998年3月には、東京創元社から佐藤龍雄訳の完訳版が創元SF文庫の一冊として刊行されました。また、1960年代から1970年代にかけて、児童向けに『地球爆発』（偕成社）、『地球さいごの日』（講談社 / 集英社）というタイトルで翻訳・翻案されたものも存在します。

続編

1934年には、『After Worlds Collide』というタイトルの続編が出版されました。この続編では、ヘンドロン隊がベータを開拓する様子や、リーダーである博士の死、新たなリーダーの誕生、そして、脱出してきたイギリス隊との連合軍と、日独ソの「独裁同盟軍」との戦いが描かれています。2007年現在、完訳版は出版されていませんが、児童向け作品の『地球爆発』（偕成社）の後半部分は、この続編を翻案したものとなっています。

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