坂本休

坂本休：中津江村とカメルーンを結んだ情熱の村長

坂本休（さかもと やすむ）は、1930年10月8日生まれ。大分県日田郡中津江村（現：日田市）の最後の村長を務めた人物です。最終学歴は中津江村国民学校卒業。自らを「日本人のカメルーン人」と称し、そのユニークなキャラクターと行動力で、地域と国際社会の交流に貢献しました。

2002年W杯と「中津江村」ブーム

坂本の名を全国に知らしめたのは、2002 FIFAワールドカップ（W杯）です。当時村長だった坂本は、中津江村にカメルーン代表のキャンプ地を誘致することに成功しました。しかし、選手団の到着が大幅に遅れたことで、中津江村と坂本に注目が集まりました。

「W杯（中津江村）」は、その年の新語・流行語大賞年間大賞を受賞し、坂本も受賞者の一人となりました。この出来事をきっかけに、坂本はカメルーンとの交流を深めていきます。

カメルーンとの交流

W杯後も、坂本はカメルーンとの交流を積極的に行いました。大分スポーツ公園総合競技場で行われた日本代表対カメルーン代表の親善試合に顔を出したり、自身がカメルーンを訪問し、友好都市であるメヨメサラ市を訪れたりしました。これらの活動を通じて、中津江村とカメルーンの絆を深めていきました。

2003年には、カメルーン政府から「カメルーンと日本の友好関係に貢献した」として「シュバリエ勲章」が贈られました。これは、カメルーンに貢献した人物に贈られるもので、日本人の受章は初めてという栄誉でした。同年には、メヨメサラ市の市長が旧中津江村を訪問し、両地域の友好関係をさらに強固なものにしました。

地域社会への貢献

坂本は、鯛生金山の経営などを行う財団法人中津江村地球財団理事長を2018年まで務めました。また、大分トリニータ後援会の会長も務めるなど、地域社会の発展にも尽力しました。W杯での経験を生かし、シンポジウムなどのパネリストとしても活躍しました。

2009年には、経営難に陥っていた大分トリニータ再建のため、『大分トリニータを支える県民会議』の会長に就任し、チームの再建に奔走しました。2010年の南アフリカW杯では、カメルーン代表の応援のため現地観戦し、話題となりました。

経歴

1983年 - 中津江村議会議員当選
1988年4月 - 中津江村議会議長（2期8年）
1996年6月12日 - 中津江村長当選（3期）
2004年12月 - 財団法人中津江村地球財団理事長就任
2005年3月21日 - 中津江村が日田市に編入合併し村長失職
2005年4月23日 - 大分トリニータ後援会会長就任
2009年12月13日 - 大分トリニータを支える県民会議会長就任

著書

カメルーンがやってきた 中津江村長奮戦記（2002年11月、宣伝会議）

坂本休は、中津江村とカメルーン、そして地域社会のために情熱を注ぎ続けた人物として、その功績は長く語り継がれることでしょう。

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