坂本勉

坂本勉のプロフィール

坂本勉（さかもと つとむ、1962年8月3日生まれ）は、日本の元競輪選手であり、自転車競技選手でもあります。彼は青森県三戸郡南部町の出身であり、日本競輪学校第57期を卒業し、日本競輪選手会青森支部に所属していました。彼の実兄である坂本典男が師匠であり、坂本一家は競輪選手の多い家系として知られています。彼の家族には、長男の坂本貴史、次男の坂本周輝、及び四男の坂本紘規が競輪選手として活躍しています。

自転車競技での歴史

学生時代から自転車競技に親しんできた坂本は、青森県立三戸高等学校を卒業後、日本大学へ進学しました。1984年、彼はロサンゼルスオリンピックに出場し、自転車競技の1000mタイムトライアルで出場権を獲得します。共産圏のボイコットにより、多くの国が参加できなかった中で、坂本はスプリント種目の敗者復活戦から勝ち進み、結果として銅メダルを獲得しました。このメダルは、ヨーロッパにおいて『スポーツの王様』と称される自転車競技において、初の日本人メダル獲得という快挙でした。さらに彼のオリンピックでの活躍は、兄の無念を晴らす意味合いも持っていたと言えます。

競輪選手としてのキャリア

大学卒業後、坂本は競輪学校に入学し、デビューを果たします。彼は新人リーグ競走で見事に35連勝を飾り、その実力を証明しました。1989年にはオールスター競輪で特別競輪（現GI）初優勝を手にしましたが、当時はKEIRINグランプリが中止になり、彼は賞金1億円突破を逃しました。しかし、1990年にKEIRINグランプリを制し、2年連続の賞金王となります。腰痛の影響にもかかわらず、彼は40歳を越えても活躍を続けました。特に、2010年には長男の貴史がS級に昇格したことから、親子同時S級在籍を実現しました。

引退とその後の活動

2011年、坂本は自身の健康状態や家族の状況も考慮し、現役引退を表明しました。引退後は日本自転車競技連盟の日本代表コーチとして、日本の自転車競技の発展に寄与しています。2014年にはアジア自転車競技選手権大会で監督代行として指揮を執り、東京オリンピックではケイリン競技のペーサーを務めました。

競走スタイルと功績

坂本は、その圧倒的な先行力から『ロスの超特急』と称されました。全盛期には、他の選手が追走しても届かないような速さを誇っていました。競技スタイルは自転車競技の伝統から影響を受けており、横への動きが不得手だったため、主に縦の追い込みを得意としていました。しかし、腰痛によって一時は戦術の見直しを余儀なくされたこともありました。それでも彼は再び先行主体に戻し、圧倒的なスピードで成績を重ねました。

坂本勉の競輪選手としての人生は、多くの記録と栄光に満ちていますが、彼の背後には家族の影響や健康問題という課題も存在していました。その生涯は、競技を通して日本のスポーツ界に多大な影響を与えたことを示しています。

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