坂本敏夫

坂本敏夫について



坂本敏夫(さかもと としお、1947年 - )は、日本のノンフィクション作家であり、元刑務官です。最終階級は矯正副長でした。刑務官としての長年の経験を基に、刑務所内部の実態や死刑制度の問題点について、数多くの著作を発表しています。

生い立ちと刑務官への道



熊本県で生まれた坂本は、広島県広島基町高等学校(現・広島市立基町高等学校)を卒業後、法政大学法学部に進学しましたが、中退しています。実は、坂本の父と祖父も刑務官であり、刑務所や拘置所の近くにある官舎で育ちました。元々は教師を目指していたものの、父親の急逝により家計を支える必要に迫られ、19歳で刑務官の道を選びました。

刑務官としてのキャリア



1967年1月、大阪刑務所の看守としてキャリアをスタートし、その後、神戸刑務所や大阪刑務所で係長を務めました。さらに法務本省事務官、東京矯正管区専門官といった役職を歴任。長野刑務所、東京拘置所、甲府刑務所、黒羽刑務所では課長を担いました。1994年3月には、広島拘置所総務部長を最後に刑務官を退職しました。

作家としての活動



退職後、坂本は作家として活動を開始しました。自身の刑務官としての経験を基に、刑務所の実態や死刑制度について執筆しています。2010年東京拘置所の死刑場がメディアに公開されたことを機に、死刑反対を表明し始めました。また、1923年関東大震災発生時に横浜刑務所の典獄(刑務所長)であった椎名通蔵に感銘を受け、その子孫への取材を重ね、初の小説『典獄と934人のメロス』を著しました。その他にも、刑務所や少年院の実態、死刑執行の様子など、一般には知られていない刑務所内部の情報を詳細に描いた著作を多数発表しています。

著作一覧



坂本敏夫の主な著作は以下の通りです。

『元刑務官が語る刑務所』三一書房、1997年2月
『死刑執行人の記録 知られざる現代刑務所史』光人社、1998年7月
『刑務所のすべて 元刑務官が明かす 衣・食・住から塀の中の犯罪まで実録・獄中生活マニュアル』日本文芸社、2001年7月
『女子刑務所のすべて 元刑務官が明かす 入所から出獄まで知られざる女囚の獄中生活とは!?』日本文芸社、2002年6月
『実録!刑務所の中 完全図解 三代続いた元刑務官が明かす』二見書房、2002年9月
『実録死刑と懲役 刑務所の中の真実』ぴいぷる社、2003年1月
『実録!少年院・少年刑務所 世間をアッといわせる意外な実態』二見書房、2003年2月
『死刑はいかに執行されるか 元刑務官が明かす 実録死刑囚の処遇から処刑まで』日本文芸社、2003年2月
刑務官新潮社、2003年6月
『刑務所の正体 元刑務官が明かす いま、獄中で何が起きているのか』日本文芸社、2003年11月
『ちょっと気になる刑務所ライフ!』光人社、2004年1月
『図説知られざる刑務所のすべて 元刑務官が明かす、実録・獄中生活マニュアル』日本文芸社、2005年1月
東京拘置所のすべて 元刑務官が明かす 取り調べ、衣食住、死刑囚の処遇…知られざる拘置所暮らしの全貌』日本文芸社、2006年3月
『死刑のすべて 元刑務官が明かす』文藝春秋、2006年5月
『死刑執行人の記録 知られざる現代刑務所史 DEATH BY HANGING 新装版』光人社、2006年5月
刑務官しか知らない刑務所のルール 改正監獄法でムショはどう変わったか!? 衣食住、懲罰、死刑囚−かくも哀しきムショ暮らしの全貌!』日本文芸社、2007年6月
『刑務所 元刑務官だけが知る塀の向こうの世界』PHP研究所、2007年11月
『刑務所の怪談 元刑務官が体験した怪奇事件簿』PHP研究所2008年7月
『知られざる刑務所の掟 元刑務官が明かす「ムショ暮らし」のすべて!』日本文芸社2008年11月
『逮捕されたらこうなる! 取調べから刑務所まで知られざるその全貌』日本文芸社2008年12月
『刑務所のすべて 元刑務官が明かす』文藝春秋、2009年9月
『実録!少年院・少年刑務所 思春期の子を持つ父母にも読んでほしい!子供の心が見えますか? あしたのジョーの頃とは大違い、驚くべき実状!』二見書房2010年2月
『死刑と無期懲役』筑摩書房2010年2月
『死刑執行命令 死刑はいかに執行されるのか』日本文芸社2010年12月
『誰が永山則夫を殺したのか 死刑執行命令書の真実』幻冬舎、2014年12月
『典獄と934人のメロス』講談社、2015年12月
『囚人服のメロスたち 関東大震災と二十四時間の解放』集英社、2021年5月

メディア出演



坂本は、映画『刑務所の中』や『13階段』で、矯正施設に関する助言を行いました。また、テレビドラマ『モリのアサガオ』では刑務監修を担当。さらに、『相棒 Season 9』にも刑務所監修として参加しました。

映画出演



俳優として、映画『休暇』(2008年)で拘置所長役を演じました。

関連事項



坂本の活動は、死刑存廃問題に関する議論にも影響を与えています。

外部リンク



公式ウェブサイト
坂本敏夫 - Facebook - Facebook)
坂本敏夫 (@sakamototoshio) - X(旧Twitter) - X(旧Twitter))
坂本敏夫 (@toshiosakamotoofficial) - Instagram - Instagram)
坂本敏夫 - YouTubeチャンネル
* GODBRAIN - YouTubeチャンネル

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