坂東三津五郎 (初代)

初代 坂東三津五郎（しょだい ばんどう みつごろう）は、延享2年（1745年）に生まれ、天明2年4月10日（1782年5月21日）に没した江戸中期の歌舞伎役者です。屋号は大和屋、俳名（俳諧における名前）は是業（これなり）と称しました。

大阪で生まれ、初めは竹田巳之助（たけだ みのすけ）という名で、大坂浜芝居の竹田座に出演していました。役者としてのキャリアをスタートさせたのは大坂であり、この時期に基礎を築きました。

安永5年（1776年）には、初代坂東三八（しょだい ばんどう みつはち）の養子となります。同年11月には養父と共に江戸に下り、坂東三津五郎と改名し、立役（たちやく：男性の役）に転身しました。江戸では森田座（もりたざ）を中心に活躍し、その名声を確立していきます。

安永6年（1777年）には中村座（なかむらざ）に移籍し、さらに人気を高めます。天明2年（1782年）には、役者としての位である上上吉（かみじょうきち）にまで昇りつめましたが、その年の4月10日に急逝しました。その死は、惜しまれました。

初代坂東三津五郎は、容姿端麗であり、和事（わごと：恋愛や人情を Ober）や実事（じつごと：写実的な演技）、女方（おんながた：女性の役）、武道（ぶどう：武士の役）、半道（はんどう：道化役）、所作事（しょさごと：踊り）など、幅広い役柄をこなす万能な役者として知られていました。彼の卓越した才能は、当時の観客を魅了し、歌舞伎界に大きな影響を与えました。

初代坂東三津五郎の芸風は、後の歌舞伎役者たちにも大きな影響を与え、坂東三津五郎の名跡は、今日まで歌舞伎界で重要な存在となっています。彼の功績は、歌舞伎の歴史において特筆されるべきものです。

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