坂田徳男

坂田徳男

坂田徳男（さかた とくお、1898年12月7日 - 1984年7月19日）は、日本の哲学者であり、大阪市立大学の名誉教授です。

生涯

兵庫県に生まれた坂田徳男は、京都帝国大学文学部哲学科を卒業後、研究者の道を歩み始めました。関西学院大学で教鞭を執った後、戦後の大阪市立大学で教授として活躍しました。1961年に大阪市立大学を定年退官した後も、帝塚山大学で教鞭をとり、後進の育成に尽力しました。

坂田徳男の研究は、多岐にわたりました。特に、アンリ・ベルクソンの哲学に関する研究は深く、『ベルグソン創造の哲学』などの著作を通じて、その思想を日本に紹介しました。また、カントの哲学にも造詣が深く、『カント純粋理性批判解釈』を著したほか、カントの著作の翻訳も行いました。

業績

坂田徳男の業績は、哲学研究にとどまらず、思想、性格学、科学哲学など幅広い分野に及びます。彼の著作は、現代思想における重要な参考文献として、今日でも多くの研究者に読まれています。また、翻訳家としても優れており、デュ・ボア・レーモン、フリードリヒ・ゴーガルテン、アルトゥル・ショーペンハウアーなど、海外の著名な哲学者の著作を日本語に翻訳し、日本の哲学界の発展に大きく貢献しました。

著作

単著

『現代哲学全集 第9巻 性格学』 建設社 1935
『ベルグソン創造の哲学』 河出書房 1937
『思想の四季』 旗社出版部 1940
『性格』 白揚社 1941 (現代生活群書)
『人間のこころ』 伊藤書店 1943 (青年群書)
『科学と哲学』 晃文社 1943
『哲学的随想』 育英書院 1944
『カント純粋理性批判解釈 全3巻』 二条書店・馬場書店 1947-49
『哲学への道』 みすず書房 1947
『思想と現実』 みすず書房 1948
『生命の認識』 みちのく豆本の会 1972 (みちのく豆本)
『近代と現代』 東京教学社 1975
『人間崩壊さなかの哲学 Sinnの哲学』 松籟社 1981
『ベルグソン研究』 沢瀉久敬と共編 勁草書房 1961、新版1981

翻訳

エミール・デュ・ボア・レーモン 『自然認識の限界』 生田書店 (生命論集) 1924
デュ・ボア・レーモン 『自然認識の限界について・宇宙の七つの謎』 1928 岩波文庫
カント 『判断力批判』 鉄塔書院 1932
フリードリヒ・ゴーガルテン 『我は三一の神を信ず 信仰と歴史に関する一つの研究』 長崎書店 1936
カント 『人間学』 岩波書店 1937　のち岩波文庫
『哲学者の言葉 希臘の巻』 速水敬二共編著 小山書店 1938
ベルグソン 『形而上学序説』 みすず書房 1947
ショーペンハウエル 『哲学序説』 みすず書房 1948
ショーペンハウエル 『意志と表象としての世界』 創元社(永遠の言葉叢書) 1953
マックス・ピカート 『神よりの逃走』 佐野利勝・森口美都男共訳 みすず書房 1963
デュ・ボア・レーモン 『生命と思索 生理学者レーモンの謎』 柏木素子共訳 若林勲編 医歯薬出版 1980.11

参考資料

文藝年鑑

関連項目

* 帝塚山大学の人物一覧

坂田徳男は、その幅広い知識と深い洞察力によって、日本の哲学界に多大な影響を与えた人物です。彼の残した業績は、今後も哲学研究において重要な役割を果たし続けるでしょう。

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