坊主窪古墳群

坊主窪古墳群

山形県東村山郡山辺町大字大寺に所在する坊主窪古墳群は、山辺町の指定史跡となっている古墳群です。山形盆地の西縁、白鷹丘陵上に位置し、かつては約40基の古墳で構成されていたと伝えられています。しかし、果樹園造成などの開発により、その多くが破壊され、現在では5基ほどの古墳が確認されているに過ぎません。

概要

坊主窪古墳群は、山形県の中央部に位置し、山形盆地の西側に広がる白鷹丘陵に築かれています。かつては多くの古墳が存在しましたが、開発によって失われ、現在残っているのはごく一部です。1986年には1号墳の確認調査が行われました。古墳群の区域は、山辺町の史跡に指定されています。

1号墳

坊主窪1号墳は、丘陵の最も高い尾根上に位置する小型の前方後円墳です。この古墳は、日本海側内陸部で最も北に位置する前方後円墳として知られています。1986年の調査によって、元々は円墳として築造されたものが、後に前方後円墳へと改変されたという珍しい経緯を持つことが明らかになりました。古墳の前方部は道路建設によって削られており、葺石や埴輪は発見されていません。埋葬施設についても詳しい調査は行われていませんが、古墳の変遷から、後円部には2人の被葬者が埋葬された可能性があると指摘されています。

1号墳から出土品は見つかっていないものの、墳形などから、6世紀後半に築造されたと推定されています。

1号墳の規模

墳丘長: 25.5メートル（推定復元27.5メートル）
後円部
直径: 17.7メートル
高さ: 1.45メートル
前方部
長さ: 推定復元9.8メートル
前端幅: 推定復元16-17メートル
高さ: 0.8メートル
周濠
最大幅: 1.85メートル
最大深さ: 0.8メートル

斜面上に築かれているため、後円部と前方部の比高差は1.66メートルとなっています。

文化財

山辺町指定文化財
史跡: 坊主窪古墳群

参考文献

史跡説明板「坊主窪古墳群第一号墳」（山辺町教育委員会設置）
『坊主窪1号墳予備調査報告書（山辺町埋蔵文化財調査報告書 第2集）』山辺町教育委員会、1989年。
茨木光祐「坊主窪1号墳」『日本古墳大辞典』東京堂出版、1989年。
* 「坊主窪古墳群」『日本歴史地名大系 6 山形県の地名』平凡社、1990年。

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