坪井清足

坪井清足（つぼい きよたり）

坪井清足は、1921年11月26日に大阪府で生まれ、2016年5月7日に94歳で亡くなった、日本の著名な考古学者です。奈良国立文化財研究所の所長、元興寺文化財研究所の所長を歴任し、日本の考古学研究に大きく貢献しました。また、文化功労者として顕彰されています。

生い立ちと学問への道

1934年、坪井は大阪大倉商業学校（現在の関西大倉中学校・高等学校）に入学しました。この頃から、梵鐘研究家であった父親の影響や、小林行雄、藤森栄一といった専門家との交流を通じて、各地の遺跡巡りに親しみました。この経験が、後の考古学者としての基礎を築いたと言えるでしょう。

1941年には京都帝国大学文学部に入学し、考古学への本格的な学問の道へと進みました。しかし、1943年に召集を受け、学業を中断することになります。1946年3月に復員し、大学に復学。1949年には京都大学大学院に進学し、研究を深めました。

研究者としてのキャリア

1950年からは、平安中学校・高等学校に勤務し、教鞭を執りました。1955年、奈良国立文化財研究所に入所し、研究者としてのキャリアを本格的にスタートさせました。1977年からは奈良国立文化財研究所の所長を務め、1986年に退官するまで、文化財の保護と研究に尽力しました。

その後も、1986年から2000年まで財団法人大阪文化財センターの理事長、2000年からは財団法人元興寺文化財研究所の副理事長、所長、理事長を歴任し、文化財の保存・活用に貢献しました。

受賞歴と著書

坪井は、その業績が高く評価され、数々の賞を受賞しています。1983年には第35回NHK放送文化賞、1990年には大阪文化賞、1991年には朝日賞を受賞。1991年には勲三等旭日中綬章を受章し、1999年には文化功労者として顕彰されました。

また、多くの著書を執筆しており、その中でも『飛鳥寺』（1964年）、『陶磁大系2 弥生』（1973年）、『平城宮』（1977年）、『古代日本を発掘する2 飛鳥の寺と国分寺』（1985年）、『古代追跡─ある考古学徒の回想』（1986年）、『埋蔵文化財と考古学』（1986年）、『古代を考える 宮都発掘』（1987年）、『縄文の湖 琵琶湖粟津貝塚をめぐって』（1994年）、『東と西の考古学』（2000年）などが知られています。

坪井清足の遺産

坪井清足は、日本の考古学界において、その研究成果だけでなく、文化財保護への貢献においても大きな足跡を残しました。その功績は、後世に語り継がれるでしょう。

関連図書として、『論苑考古学』（坪井清足さんの古稀を祝う会編、1993年）や『喜寿記念 坪井清足著作目録』（坪井清足喜寿祝賀会事務局、1998年）があります。

参考文献

• - 上記のinputデータ

もう一度検索