垂水港

垂水港について

垂水港は、鹿児島県垂水市にある地方港湾で、鹿児島県が港湾管理者となっています。この港は、地域住民にとって重要な交通手段であり、観光客にとっても魅力的な場所です。

概要

現在、垂水港からは鹿児島交通がフェリーを運航しており、鹿児島市の鴨池港との間を結んでいます。2015年度の統計によると、年間発着数は10,970隻、総トン数は15,661,796トンにのぼり、利用客数は1488,561人（乗込人員773,773人、上陸人員714,788人）と、多くの人々が利用しています。

航路

垂水港と鴨池港を結ぶ主要な航路は、鴨池・垂水フェリーによって運営されています。この航路は、鹿児島湾を横断し、両都市間の移動をスムーズにしています。

歴史

垂水港の歴史は古く、1897年（明治30年）にはすでに汽船が寄港していました。しかし、初期の汽船は鹿児島湾内を循環するものであり、垂水から鹿児島市への日帰り移動は困難でした。

大正時代に入ると、垂水出身の町田一平が個人で千鳥丸を建造し、鹿児島・垂水間を1日に2往復するようになりました。これにより利便性は向上しましたが、個人での運営には限界がありました。そこで、町田は他の有志と協力し、1921年（大正10年）に垂水発動機船組合を設立しました。その後、垂水汽船会社に改組し、垂水丸、第一垂水丸、第二垂水丸などの船舶を運航しました。

当初、垂水港には桟橋がなく、乗客は一旦はしけに乗り換えて上陸する必要がありました。大正末期には長さ200メートルを超える桟橋が建設されましたが、それでも不便さは残りました。

1944年（昭和19年）2月6日には、「第6垂水丸」が垂水港を出航直後に転覆し、547人もの犠牲者を出すという悲惨な事故が発生しました。この事故は、日本の海難事故史上2番目の規模とされています。事故の原因は、船長が定員超過を懸念して出航を躊躇したものの、乗客からの強い要求によって出航せざるを得なくなり、出港直後にバランスを崩して転覆したためとされています。

戦後の1953年（昭和28年）には、農地干拓事業と港湾事業が一体となった埋め立て事業が開始され、1959年（昭和34年）に港湾工事が完了しました。1964年（昭和39年）には、浮桟橋が完成し、利便性が向上しました。

1960年（昭和35年）からは、鹿児島・垂水間の航路は南海郵船によって運営されるようになり、にしき丸やあかね丸などの大型船が導入されました。南海郵船の社長は町田一平の次男である淳でしたが、その後、岩崎與八郎が経営に参画しました。

1970年代になると、モータリゼーションの発展に伴い、フェリー化が推進されるようになりました。しかし、西桜島村の桜島フェリーとの競合が問題となり、反対運動も起こりました。それでも、1974年（昭和49年）にはフェリーおおすみが就航し、鴨池港と垂水港の間を35分で結ぶようになりました。

1985年（昭和60年）からは、本城川左岸河口の埋立地で垂水港改修事業が開始され、1998年（平成10年）には垂水新港が開港しました。

関連項目

日本の港湾一覧#鹿児島県

脚注

参考文献

『港湾統計（年報）』[国土交通省]]、2016年。[https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00600280&kikan=00600。2017年4月16日閲覧。

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