城南寺町

城南寺町

城南寺町（じょうなんてらまち）は、大阪府大阪市天王寺区に属する町名です。住居表示において丁番を持たない単独町名として定められています。

地理

当町は天王寺区の北西部に位置しています。その地理的な境界は、東側で餌差町、西側で上本町、南側で東高津町、そして北側で空清町とそれぞれ接しています。町域の大きな特徴として、古くから続く多くの寺院が現在も集積している点が挙げられます。

歴史

城南寺町の歴史は古く、江戸時代に寺院が集められ「寺町」として形成されたことに始まります。当時、この一帯は主に「八丁目中寺町」（十五ヶ寺）と「八丁目東寺町」（十一ヶ寺）という二つの区域で構成されていました。

明治時代に入ると、行政区画の複雑な変遷をたどります。明治6年（1873年）、八丁目中寺町の十五ヶ寺は、一部が西成郡吉右衛門肝煎地へ、残りの三ヶ寺（竹林寺、妙中寺、無量寺）が東成郡東高津村へと分割編入されました。一方、八丁目東寺町の十一ヶ寺はすべて吉右衛門肝煎地へと編入されました。明治15年（1882年）には、この吉右衛門肝煎地が清堀村と名を改めます。明治22年（1889年）4月1日には、清堀村が東成郡に転属し、単独で町村制を施行、東成郡清堀村となりました。さらに明治30年（1897年）4月1日には大阪市に編入され、東区清堀の一部となります。明治33年（1900年）には、かつての区分に基づき、東区八丁目中寺町および八丁目東寺町として再編されました。その後、昭和18年（1943年）4月1日に行政区の再編により天王寺区へと所属が変更されます。

そして、昭和40年（1965年）に、旧八丁目中寺町と旧八丁目東寺町の全域に加え、隣接する清堀町、餌差町、東高津北之町のそれぞれ一部を統合・再編成することにより、現在の行政地名である「城南寺町」が誕生し、現在に至っています。

町内の寺院

城南寺町には、かつての寺町の名残として、多数の寺院が現存しています。旧八丁目中寺町に数えられた十五ヶ寺のうち、現在当町内に所在するのは以下の十二ヶ寺です。

天然寺
梅松院
慶恩院
超善寺跡（現在は本覚寺・伝光寺と合併し顕祥寺の本坊として利用されています）
長安寺
蓮生寺
大通寺
栄松院
極楽寺
龍渕寺
誓安寺
誓福寺

旧八丁目中寺町のうち、竹林寺と妙中寺は上本町5丁目に、無量寺は東高津町に位置しています。

一方、旧八丁目東寺町の十一ヶ寺は、以下のすべてが現在も城南寺町内に所在しています。

天龍院
十萬寺
法蔵院
仏心寺
全慶院
寶樹寺
楞嚴寺
大善寺
宗心寺
洞泉寺
* 宗圓寺

主な施設

町内には教育機関として、大阪市立高津中学校、東朋高等専修学校、大阪自動車整備専門学校などが設置されています。過去には、郵政関連の施設である大阪貯金事務センターや、大阪南郵便局の城南寺町分室もこの地域に置かれていました。

郵便

城南寺町の郵便番号は〒543-0017です。郵便物の集配業務は天王寺郵便局が担当しています。

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