城戸富貴

城戸 富貴（きど ふき）

城戸 富貴（きど ふき）は、1961年10月4日に富山県富山市で生まれた日本の元女子プロゴルファーである。長年にわたり日本の女子ゴルフツアーで活躍し、特にその安定した実力で知られた。現在の所属は呉羽カントリークラブとなっている。

プロキャリア

10歳でゴルフの世界に足を踏み入れた城戸は、その才能を開花させるべく努力を重ねた。富山県立富山東高等学校を卒業後、富山カントリークラブにて研修生としてプロを目指す日々を送る。日本女子プロゴルフ協会（LPGA）のプロテストには複数回挑戦が必要だったが、1984年に4度目の受験でついに合格を果たした。翌1985年、LPGAの第47期生として正式にプロ資格を取得し、ツアーでの戦いをスタートさせた。

プロ入り後、城戸は徐々に頭角を現し始めた。特に1992年には年間獲得賞金ランキングで48位に入り、自身初のLPGAツアー年間シード権を獲得。これは安定して上位に食い込む実力がついてきた証であった。そして1993年、プロゴルファーとしてのキャリアにおける大きな転機を迎える。この年のLPGAツアー開幕戦である「ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」で、見事にプロ初優勝を飾った。この勢いを駆って、同年3戦目の「再春館レディース」でも優勝。シーズン中に複数勝利を挙げたことで、年間獲得賞金ランキングは自己最高位となる8位にまで上昇した。

その後も城戸は、国内女子ツアーの第一線で安定したプレーを続けた。1995年の「カトキチクイーンズカップトーナメント」、1998年の「ミズノレディースゴルフトーナメント」で勝利を重ねたほか、1999年には国内女子ゴルフ界屈指の公式戦である「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカ杯」を制覇するという輝かしい実績も残している。さらに2001年には「マンシングウェアレディース東海クラシック」でも優勝し、LPGAツアーにおける通算勝利数を6勝とした。

城戸のプロキャリアにおいて、特に注目されるのはその息の長さと安定性である。1992年に初めてシード権を獲得して以来、2005年まで実に14年間にわたり、一度もシード権を失うことなく連続して保持し続けた。これは、常に一定以上のレベルを維持し、厳しいツアーの戦いを乗り越えてきたことを示す特筆すべき記録である。

しかし、時代の流れとともにツアーの競争も激化。長年維持したシード権は2006年に途切れ、続く2007年もシード復帰はならなかった。2008年には若手育成などを目的とするステップ・アップ・ツアーにも参戦したが、このシーズンをもってレギュラーツアーからの撤退を決断した。

第一線からは退いたが、城戸はその後もゴルフ界との繋がりを持ち続けている。2010年以降は、50歳以上の女子プロが出場するレジェンズツアーに断続的に参戦しており、往年のファンに健在ぶりを見せている。また、2013年からは生まれ故郷である富山県の呉羽カントリークラブに所属し、ゴルフの普及や後進の指導などにも関わっている可能性がある。

城戸富貴は、4度の挑戦でプロテストに合格し、連続シード記録を打ち立て、公式戦を含む通算6勝を挙げた。長きにわたり日本の女子プロゴルフ界を支えた一人として、その功績は大きい。

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