城西大学水田美術館

城西大学水田美術館の概要

埼玉県坂戸市に所在する城西大学水田美術館は、この大学内に設立された美術館です。この美術館は、1979年に水田記念図書館の8階に創設され、大学の設立者である水田三喜男氏が生前に収集した約200点の浮世絵を収蔵、展示する目的で開設されました。2011年には新たに大学キャンパス内に移転し、現在に至ります。

この美術館では、江戸時代から明治期にかけての多様な浮世絵版画を取り扱っており、特に著名な作家の作品が多く含まれています。具体的には、菱川師宣、鳥居清倍、喜多川歌麿、葛飾北斎など、その名を知られる多くの浮世絵師の作品を楽しむことができます。特に、東洲斎写楽の作品が9点収蔵されている点は特筆に値します。

美術館の主な収蔵品

浮世絵版画

水田美術館には、浮世絵版画が豊富に収蔵されています。以下は、特に注目すべき作品の一部です。

• - 無款（菱川師宣）作の『延宝三年市村竹之丞役者付』：大判の墨摺絵。
• - 鳥居清倍の『太夫と二人の禿』：竪大々判の丹絵で、圧巻の美しさを誇ります。
• - 東洲斎写楽の作品群には、『松本米三郎のけはい坂の少将実はしのぶ』や『二代目瀬川富三郎の大岸蔵人の妻やどり木』など、大錦の美しい版画が含まれています。

浮世絵の多様性を体験できるこれらの作品は、訪れる人々に深い感動を与え、また日本の文化を理解するための重要な資料となっています。

肉筆浮世絵

さらに、肉筆浮世絵のコレクションも充実しており、初期肉筆浮世絵として知られる土佐光起や、著名な浮世絵師の菱川師宣の作品が展示されています。代表的な作品には、「源氏物語 螢の巻」や、「虫籠美人図」、「見立石山寺紫式部図」があります。これらは、紙本や絹本に彩色された作品で、それぞれの時代背景に沿った美しさと技術を感じることができます。

美術館の目的と役割

城西大学水田美術館は、これらの豊かな収蔵品を通じて日本文学や浮世絵の魅力を伝える役割を担っています。美術館の活動は、教育と啓発を目的としており、学生や地域住民、観光客に向けたさまざまな企画展示やイベントを行っています。特に、浮世絵の特別展や講演会などが行われ、観覧者にとって学びの場となっています。

アクセスと公式情報

美術館へのアクセスは、城西大学の敷地内にあるため、公共交通機関を利用して訪れることができます。また、公式ウェブサイトやX（旧Twitter）を通じて、最新の展覧会情報やイベント情報をチェックすることが可能です。

このように、城西大学水田美術館は、日本の浮世絵文化を広く知っていただくための貴重な拠点となっており、その活動は今後ますます期待されます。

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