水田三喜男

水田三喜男 - 日本の政治家と教育者

水田三喜男（みずた みきお、1905年4月13日 - 1976年12月22日）は、戦後日本の政治において重要な役割を果たした政治家であり、さらに教育界でも著名な存在となりました。彼は城西大学の創立者であり、自由民主党の初代政務調査会長としても知られています。大蔵大臣や通商産業大臣などを歴任し、特に経済政策の分野では多くの功績を残しました。

来歴と学歴

千葉県安房郡曽呂村（現在の鴨川市）で生まれた水田は、400年以上前に讃岐から移住してきた家系で、祖父と父は共に村長を務めました。彼の多くの親族も公務に関与してきました。彼は旧制安房中学校や旧制水戸高等学校を経て、京都帝国大学法学部に進学しました。在学中、彼はマルクス主義に興味を持つ一方、柔道や剣道にも精通し、当時の教授の護衛を務めたりもしました。

1931年に大学を卒業後、彼は東京市職員としてのキャリアをスタートさせ、その後も様々な企業で要職を歴任しました。そして1946年の衆議院議員総選挙で当選し、以後13回連続で当選を果たしました。

政治キャリアと経済政策

1953年、彼は第4次吉田内閣で経済審議庁長官に就任し、自由党内で数回にわたり政調会長に選ばれました。1955年には自民党の初代政調会長に就任し、その後も通商産業大臣として活躍しました。1960年には大蔵大臣に任命され、池田勇人内閣において所得倍増政策を推進しました。この政策は彼の積極財政的姿勢を示すもので、経済成長を促進するための施策として評価されました。

彼は佐藤栄作内閣でも蔵相を務め、ニクソン・ショックに対処するための政策に尽力しました。特に為替相場の安定に注力し、変動相場制への移行を進める時期に、財政をしっかりと舵取りしました。彼の在任中には、日本が高度経済成長を遂げる中での重要な財政家として幅広い評価を受けました。

教育への情熱

水田は政治活動と同時に教育にも強い関心を持ち、1965年に城西大学を創立しました。この大学は彼の教育に対する思いを体現するものであり、現在でも多くの学生に教育を提供しています。彼の愛した浮世絵コレクションは、大学内の水田美術館で公開されています。

エピソードと晩年

水田の額にできた瘤は、入閣当初から彼のトレードマークとなり、漫画でもネタにされるほどでした。1973年に施術を受けた後はこの印象も和らぎました。また、昭和天皇との会話では、円高の進展についての報告が印象的です。彼の死後、その影響力は多岐にわたり、多くの後任政治家や教育者に影響を与えました。

水田三喜男は1976年、急逝する直前に13回目の衆議院議員選挙で当選したことで、その影響力の高さを改めて示しました。葬儀での追悼の言葉は多く、彼の存在は「巨星堕つ」と評されました。彼の墓所は文京区の護国寺にあり、その功績は今もなお語り継がれています。

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