基幹放送普及計画

基幹放送普及計画とは

基幹放送普及計画は、日本の放送政策における基本方針を定めた総務省告示です。この計画は、放送法第91条に基づき、総務大臣が電波監理審議会または情報通信審議会の答申を受けて策定・改正を行います。

目的

この計画の主な目的は、放送による情報提供の多様性と地域性を確保しつつ、放送サービスの計画的な普及と健全な発展を促進することです。具体的には、以下の点に重点を置いています。

情報の多元的提供: 多様な放送コンテンツを提供し、国民の知る権利に応える。
地域性の確保: 地域ごとのニーズに合わせた放送サービスを提供し、地域社会の活性化に貢献する。
放送の計画的な普及: 放送インフラを整備し、全国で安定した放送サービスを提供できるようにする。
健全な発達: 放送事業者の健全な経営と放送技術の発展を促す。

主な内容

基幹放送普及計画では、地上波放送、衛星波放送、国際放送など、様々な放送サービスの目標が定められています。以下に主な内容をまとめます。

地上波放送

AMラジオ放送: NHKラジオ第1・第2と民間放送1局（主要地域では2局）を全国で受信可能にする。
FMラジオ放送: NHK-FMと県域民間放送1局（主要地域では2局）を全国で受信可能にする。
コミュニティ[[放送]]: 地域特性が十分に発揮できる地域圏に最低1局を設置する。
短波放送: ラジオNIKKEIを全国で受信可能にする。
テレビジョン放送: 2011年7月までにアナログ放送を終了し、デジタル放送へ移行。NHK総合・教育と民放4系統（主要地域では5系統）を全国で受信可能にする。
多重放送: 音声多重、文字多重、データ[[放送]]などを全国で受信可能にすることを目指す。

衛星波放送

2.6GHz帯衛星放送: デジタル放送を推進し、データ[[放送]]も充実させる。ギャップフィラーも活用し、受信環境を確保する。
BS放送: 2011年7月までにアナログ放送を終了し、デジタル放送へ移行。NHK BS1・BSプレミアムと民間放送1局を全国で受信可能にする。
CS放送: 技術発展と周波数調整を踏まえ、チャンネル数の目標を柔軟に設定し、普及を図る。
衛星を利用した受託内外放送: 需要に応じて開局を検討する。
移動受信用地上放送: 全国で受信できるよう整備し、10程度の放送番組を目標とする。

国際放送

海外において、できる限り良好な受信環境を確保する。

主な変遷

基幹放送普及計画は、社会の変化や技術の進歩に合わせて、何度か改正されてきました。主な変遷は以下の通りです。

1988年: 放送普及基本計画として制定。
1997年頃: 外国語放送局の追加、放送大学のCS放送での放送開始。
2000年頃: CSデジタル放送、地上デジタルラジオの実用化試験局の追加。
2001年: 地上テレビ放送のデジタル化移行開始。CS放送の目標チャンネル数削減。
2002年頃: 蓄積型放送、2.6GHz帯衛星デジタル音声放送の追加。
2003年頃: アナログハイビジョン放送の終了決定、BSアナログテレビ放送の終了期限決定。
2005年頃: BSアナログテレビ放送の縮小、BSデジタル放送のチャンネル数削減。
2008年: 地上デジタル放送の難視聴地域向けに、衛星放送での再送信を開始。
2010年: マルチメディア全国放送（モバキャス）を規定。
2011年: 計画名称を基幹放送普及計画へ変更し、放送法の改正に伴う文言を修正。

関連項目

* 基本計画


このように、基幹放送普及計画は、放送サービスの発展を促進し、国民の情報へのアクセスを保障する上で重要な役割を果たしています。技術革新や社会情勢の変化に対応し、今後も必要に応じて改正が行われていくと考えられます。

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