堀川小百合

堀川 小百合

堀川 小百合（ほりかわ さゆり、1963年2月19日 - ）は、日本の元車いすバスケットボール選手。大分県出身。

パラリンピックに複数回出場し、2度の銅メダルを獲得した実績を持つ。選手として長年にわたり日本代表の中心選手として活躍した後、現在は日本車椅子バスケットボール連盟において、女子車椅子バスケットボール連絡委員会の育成部長として、次世代選手の育成に情熱を注いでいる。

経歴と人物

幼少期からスポーツに親しみ、特にバレーボールに打ち込む活発な少女時代を送る。しかし、高校2年生の時に予期せぬ交通事故に遭い、その後の人生を車いすとともに歩むこととなった。

故郷である別府市に所在するオムロン太陽株式会社に入社後、同社の男子車いすバスケットボールチームの監督から、女子日本代表に加われば国際大会への遠征機会が得られるという話を聞き、車いすバスケットボールを始めることを決意する。世界へと視野を広げる可能性が、新たな競技への挑戦へと背中を押した。

競技開始後は、来る日も来る日も古タイヤを車いすに繋いで引っ張りながら、基礎体力と車いす操作技術を磨くといった独自の厳しいトレーニングを積み重ねた。こうした努力が実を結び、わずか19歳で車いすバスケットボール女子日本代表に初選出される。

バスケットボールと並行して、車いすマラソンにも取り組んだ。特に1981年には、大分国際車いすマラソン大会のハーフマラソンにおいて、日本人女性として初めてこの距離を完走した3人のパイオニアのうちの一人として名を刻んだ。その後も同大会に継続して出場し、複数のハーフマラソンおよびフルマラソンを完走している。マラソンへの挑戦は、堀川氏の飽くなき競技への情熱と、自身の限界に挑み続ける姿勢を象徴している。

25歳で結婚し、現在は2児の母でもある。選手引退後も、自身の波乱に富んだ半生と競技経験に基づいた講演活動を積極的に行っており、多くの人々に勇気と希望を与えている。

競技での足跡

車いすバスケットボールにおいては、主にガードのポジションを務め、持ち点は2.0であった。

パラリンピックには、1984年のニューヨーク大会（ロサンゼルスオリンピックと同時開催）を皮切りに、計4回出場している。ニューヨーク大会では、日本代表として銅メダルを獲得する快挙を達成した。

その後も、1992年のバルセロナ大会（6位）、1996年のアトランタ大会（5位）と連続して出場し、チームの中心選手として牽引し続けた。

そして、自身にとって4回目のパラリンピック出場となった2000年のシドニー大会において、再び銅メダルを獲得。このシドニー大会の3位決定戦では、若手選手中心のチーム編成の中、試合の大部分をベンチからチームを鼓舞し続けた。しかし、試合終了間際、長年にわたり女子車いすバスケットボール界を牽引してきたベテラン選手として、キャプテンの塚本京子氏、南川佐千子氏とともにコーチの配慮により同時にコートに送り出された。試合終了のブザーを仲間たちとコート上で聞き、抱き合って喜びを分かち合ったシーンは、長年の競技人生を象徹する感動的な瞬間として記憶されている。

マラソンにおいては、特に大分国際車いすマラソン大会での活躍が特筆される。前述の1981年の歴史的なハーフマラソン完走に加え、その後も1982年、1983年、1984年と連続してハーフマラソンで日本人上位の成績を収めている。フルマラソンにも挑戦し、完走記録を残している。

その他の活動

2004年に公開された車いすバスケットボールを題材にした映画「ウイニング・パス」（主演：松山ケンイチ）が、別府市にある社会福祉施設「太陽の家」で撮影された際には、アシスタントコーチ役としてエキストラ出演を果たしている。

車いすバスケットボール選手として、また一人の人間として、数々の困難を乗り越え、日本におけるパラスポーツの発展に貢献し続けている存在である。

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