堀江頼忠

概要

堀江頼忠（ほりえ よりただ、生年不明 - 元和3年9月12日）は、里見氏の家臣として知られ、重要な役割を果たした家老です。彼の家系は元々「堀内」と称していましたが、天文3年に里見氏内の内訌の後、堀江に改名したと伝えられています。同じ名字を持つ足利義明の近臣が存在するため、堀江氏はその系統かもしれません。

「堀江」氏の系譜

堀江の名は古くからあり、足利義明の家臣には「堀江下総守」や「堀江大蔵丞」などが確認されています。このことから、堀江氏が足利の家系に関連している可能性があると考えられています。また、天正15年には神野寺の棟札銘に「堀能」（堀江能登守）の名が見えることから、彼がその時点で受領名「能登守」を名乗っていたことがわかります。

頼忠の名乗りと役割

その後、慶長7年（1602年）正月21日の鶴谷八幡宮の棟札銘において、彼は「頼忠」と名乗ることが確認されます。これにより、彼は天正15年以前に元服し、受領を授与されていたことがわかります。里見義頼から一字を受けて「頼忠」と名乗った可能性が高いです。

頼忠は里見氏の常陸国鹿島領において非常に重要な役割を担っていました。彼の働きは、里見氏が領有する地域の安定に寄与したことでしょう。特に、戦国時代の混乱期において彼のような家臣の存在は、主君の権力維持において必要不可欠でした。

伯耆国への転封

慶長16年（1613年）に里見忠義が伯耆国倉吉に転封される際、頼忠もこれに従って移住します。それに伴い、里見忠義は義頼、義康、忠義の三代にわたる功績を評価し、頼忠に「里見」の名字を授与したと考えられています。これ以降、彼は「里見能登守頼忠」と名乗るようになります。

頼忠寺の再興

また、館山市にある「頼忠寺」は、堀江頼忠が再興した寺院として伝えられています。この寺院は、彼の名が後世に残る重要な場所となっており、彼の功績を偲ぶ意味でも評価されています。

奥深い歴史と彼の影響力を感じることができる頼忠の生涯は、戦国時代における武将たちの忠誠心とその役割を考察する上で、貴重な資料となります。

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