堀米ゆず子

堀米 ゆず子

堀米ゆず子（ほりごめ ゆずこ）は、1957年12月4日生まれの日本のヴァイオリニストであり、ベルギーのブリュッセルを拠点に国際的な音楽活動を展開しています。彼女は非常に評価の高い演奏家であり、特にヴァイオリンに対する深い情熱と洞察力から多くの音楽シーンで尊敬されています。現在、堀米はブリュッセル王立音楽院の客員教授として教鞭を執り、未来の音楽家たちの育成にも尽力しています。

生い立ちと教育

東京都に生まれ、堀米は5歳の頃にヴァイオリンを始めました。彼女は久保田良作や江藤俊哉といった著名な教師から指導を受け、子供向けの音楽教室を経て、桐朋女子高等学校音楽科や桐朋学園大学音楽学部で音楽を学びました。彼女の技術はこの厳しい教育を通じて鍛えられ、将来的に国際舞台で活躍するための基盤が築かれました。

音楽家としてのキャリア

1980年、堀米は日本人として初めてエリザベート王妃国際音楽コンクールにおいて優勝し、これにより彼女の名は国際的に知れ渡ることとなります。その後、ベルギーを拠点に国際的な演奏活動を行い、1981年には芸術選奨新人賞を受賞しました。彼女は現代音楽にも積極的に取り組み、特に武満徹の作品に対する理解が深いことで知られています。武満の未完の作品「ヴァイオリン協奏曲 ソングライン」は彼女を見込んで作曲されていました。

音楽活動の内容

また、ジェイムズ・ディロンのヴァイオリン協奏曲は堀米によって日本初演され、高い評価を受けました。彼女の演奏は感情豊かで、聴衆に深い印象を与えると同時に、独自の解釈を持った演奏が多くのリスナーを魅了しています。堀米は単に演奏だけでなく、教育者としての役割も果たし、若手音楽家への指導や指揮を行っています。

フランクフルト空港でのトラブル

2012年、堀米は東京からブリュッセルに帰国する途上、フランクフルト空港での出来事に直面しました。持ち込まれた価値1億円のヴァイオリンが、税関によって発見され押収されるというトラブルが発生しました。この際、彼女は税関に無申告で通過しようとしたため、脱税容疑がかけられました。堀米は「過去20年以上、特に問題がなかった」と主張し、自らの正当性を訴えました。最終的には、必要書類を提出した結果、ヴァイオリンは無償で返還されることとなりました。

家族と親族

堀米は西洋史学者の堀米庸三の姪であり、音楽の世界にも多数の親族が関連しています。NHK交響楽団のヴァイオリン奏者である川上朋子は従姉であり、山形銀行の頭取である長谷川吉茂は従兄です。

著書

堀米ゆず子は音楽に関する著書も執筆しており、1995年には『モルト・カンタービレ ブリュッセルの森の戸口から』を出版、2015年には『ヴァイオリニストの領分』も刊行しました。これらの書籍では、彼女の音楽観や人生、演奏に関する思いが綴られています。

堀米ゆず子の音楽家としての道のりは波乱に満ちていますが、それゆえに彼女の演奏は多くの人々にインスピレーションを与えています。今後の彼女の活動にも大いに注目が集まります。

もう一度検索