堀米庸三

堀米庸三について

堀米庸三（ほりごめ ようぞう）は、1913年2月24日に山形県河北町に生まれた日本の歴史家であり、西洋中世史を専門とした学者です。彼の業績は多岐にわたり、学問界に多大な影響を与えましたが、その人生背景もまた興味深いものです。

経歴

堀米は1930年に旧制芝中学校を卒業した後、旧制第一高等学校を受験しましたが、結果は芳しくありませんでした。そのため、彼は故郷の山形に帰省し、ブラジル移住を考えますが、最終的には家族の説得を受けて断念。決意を新たにし、翌年に第一高等学校に合格しました。1934年に同校を卒業した後、東京帝国大学文学部西洋史学科に進学し、1937年に卒業します。その後、1941年から日本の大学で教鞭を執り始め、教育者としてのキャリアを築きました。

彼は1941年に神戸商業大学の予科講師に就任し、1942年には教授に昇進しました。1947年には北海道大学法文学部の助教授を先に経て、1951年から同大学の文学部教授として教えていました。1956年には東京大学文学部の教授となり、アウトカムとしてハーバード大学にも滞在しました。1969年には東京大学文学部長に就任し、1973年には退官して名誉教授となりましたが、1975年に肺癌により亡くなりました。

受賞歴

堀米の功績はさまざまな形で認められています。1976年には、編著した『西欧精神の探究』により毎日出版文化賞を受賞しました。

研究内容・業績

彼の研究は特に中世国家論や文明批評に重点を置いていました。堀米は「堀米・世良論争」や「堀米・吉岡論争」といった形で、同時代の他の学者と積極的に議論を交わし、その過程で自身の学説を磨き上げていきました。

教え子や同僚

堀米の教学活動からは、多くの優れた門下生が育ちました。その中には、北海道大学の名誉教授である石川武や、東京大学の名誉教授の木村尚三郎、渡邊昌美（高知大学名誉教授）などが名を連ねています。また、同年生には林健太郎という同僚も存在しました。

家族

彼の親族には、ヴァイオリニストとして活躍している姪の堀米ゆず子がいます。時代を超えて、音楽の世界においても堀米の系譜が受け継がれています。

主な著作

堀米の著作は数多く、特に以下のような著書が知られています：

• - 『中世国家の構造 社会構成史体系3』（日本評論社、1949年）
• - 『西洋中世世界の崩壊』（岩波書店、1958年、新装版2005年）
• - 『正統と異端 ヨーロッパ精神の底流』（中央公論社、1964年／中公文庫、2013年）

また、編集や監訳においても数々の業績を残しています。彼の研究や著作は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。堀米庸三は、日本の歴史学界において不朽の存在として忘れられない人物です。

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