堀親良

堀親良の生涯

堀親良（ほり ちかよし）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した大名であり、信濃飯田藩堀家の初代当主です。父の堀秀政と兄の堀秀治と共に豊臣秀吉に仕官し、特に戦歴に名を残す存在となりました。

初陣と従五位下への叙任

親良は11歳という若さで小田原征伐に参加し、そこで初陣を果たします。父が亡くなった後、彼は越前国で2万石を領有し、天正19年（1591年）に従五位下、美作守の官職に叙任されます。この頃、豊臣秀吉から羽柴氏と豊臣姓を賜影したことから、彼の名はより一層広まります。堀直敬という従兄弟は、親良の名前が「秀家」の後に「秀成」と改名されたとされる文書を示していますが、これは彼が秀家という名から選ばれていたことを示しています。

転封と刀の譲与

彼は後に兄と共に越後国に移され、蔵王堂で4万石を領することになります。その一部を家老の近藤重勝に分与し、次第に家徳を築いていきます。また、秀吉の死去の際には「助真の刀」を拝領し、その名刀は彼の手元に残されます。

関ヶ原の戦いとその後

慶長5年（1600年）には関ヶ原の戦いが起き、親良と兄は東軍側に立ち上がります。親良は上杉景勝が引き起こした一揆の鎮圧に貢献し、その功績から徳川家康および秀忠から感謝の状を受けるなど、名声を高めていきました。この時期、彼はまだ羽柴の名を名乗っていたことが記録されています。戦後は家康から所領を安堵され、安定した地位を保ちました。

内紛と隠遁生活

しかし、慶長7年（1602年）には堀直政との対立が生じ、親良は病を理由に伏見に隠れるという形で身を引くことになりました。この隠遁の際、家督を養嗣子の鶴千代に譲りました。親良はその後、妻の実家である浅野家を訪れ、駿府の家康に謁見し、再び仕官の道を歩むことになります。

大坂の陣と改名

大坂の陣でも土井利勝の指揮下で活躍し、この頃には羽柴の名を捨てて堀氏に戻し、名も秀成から良政に改めました。元和4年（1618年）には美濃国に5000石を加増され、さらには下野国烏山城を賜り、合計で2万5,000石を領するようになります。「親良」という名が確認されるのは、彼が烏山に入封してからのことであり、彼の名声は一層高まりました。

系譜と子孫

堀親良の家系は、父に堀秀政、母に喜多島良滋を持ち、妻は浅野長政の娘である養梅院です。彼は生まれた複数の子女を持ち、近藤氏、若山氏、奥村氏との側室も後を絶たず、家系が続いていくことになります。また、彼の養子には堀鶴千代（堀秀治の次男）があり、堀家はその後も重要な役割を果たすことになります。

参考文献

• - 『寛永諸家系図伝』
• - 堀直敬『堀家の歴史』堀家の歴史研究会、1967年
• - 村川浩平『日本近世武家政権論』近代文芸社、2000年
• - 田嶋悠佑「堀親良文書の基礎的研究」（『中世東国の政治と経済 中世東国論:6』岩田書院、2016年）

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