高田馬場

高田馬場：歴史と活気に満ちた学生の街

高田馬場は、東京都新宿区北部にある町名で、JR山手線、西武新宿線、東京メトロ東西線が乗り入れる交通の要衝です。早稲田大学をはじめとする多くの大学や専門学校、予備校が集積し、御茶ノ水と並ぶ全国屈指の学生街として知られています。

学生街としての高田馬場

駅周辺は、学生向けの低価格の飲食店が数多く軒を連ねています。特に近年は、ラーメン激戦区としても有名で、多くの学生や若者で賑わっています。また、古書店街としても知られる早稲田通り沿いは、独特の雰囲気を醸し出しています。

毎年10月中旬には「大高田馬場祭り」が開催され、サンバチームのパレードなど、大勢の観客でにぎわいます。

多様な文化と歴史

高田馬場は、秋葉原や池袋と並んでクリエイターブームの発祥地の一つであり、近年では在日ミャンマー人が多く居住する「リトル・ヤンゴン」と呼ばれるコミュニティも形成されています。ミャンマー寺院が所在する中井という近隣の町から、利便性の高い高田馬場に移住するミャンマー人が増加したことが、その背景にあります。

高田馬場の歴史は古く、1636年（寛永13年）、徳川家光によって旗本たちの馬術訓練場として馬場が造営されたことに始まります。この馬場が地名「高田馬場」の由来です。地名には諸説ありますが、家康の六男である松平忠輝の生母である高田殿（茶阿局）ゆかりの地であったこと、この地域が高台であったことから「高田」と呼ばれていたことなど、複数の説が絡み合っています。近隣には現在も「高田」（豊島区）や「上高田」（中野区）といった地名が残されています。

1910年（明治43年）には山手線が、1927年（昭和2年）には西武新宿線が、1964年（昭和39年）には東京メトロ東西線が乗り入れる駅が開業し、交通の要衝として発展しました。駅名は、現在の高田馬場町域から離れた場所に位置する史跡「高田馬場跡」に由来しています。1975年（昭和50年）の住居表示実施に伴い、駅周辺の町名が「高田馬場一丁目～四丁目」となりました。

高田馬場の読み方

「高田馬場」の読み方には、「たかたのばば」と「たかだのばば」の2種類があります。史跡の高田馬場は「たかたのばば」と呼ばれてきましたが、駅名などが浸透したことで「たかだのばば」が一般化しています。現在でも、銀行支店名や郵便局名などでは、読み方が異なる場合があります。

高田馬場の範囲

狭義では高田馬場一丁目から四丁目ですが、広義には、早稲田大学方面の学生街を含む西早稲田一丁目から三丁目、さらには高田馬場駅周辺から下落合一丁目、豊島区高田三丁目の一部まで含めることもあります。

高田馬場の現在

2019年10月1日には、東京都暴力団排除条例に基づき、高田馬場一丁目から四丁目が暴力団排除特別強化地域に指定されました。

高田馬場は、歴史と現代が交差する活気あふれる街であり、学生街としての賑わい、多様な文化、そして歴史的背景など、魅力にあふれた地域です。

高田馬場が登場する作品

高田馬場は、多くの作品にも登場しています。手塚治虫の『鉄腕アトム』では、アトムの誕生地として設定されており、山手線高田馬場駅の発車メロディはアトムの主題歌となっています。また、三田誠広の小説『高田馬場ラブソング』や柳美里の小説『山手線内回り』などでも舞台として描かれています。

高田馬場の地理・交通

高田馬場は、神田川に近く、かつては度重なる洪水に見舞われていました。現在は、早稲田通り、小滝橋通り、明治通り、新目白通りなどの主要道路が通っており、交通アクセスも良好です。都営バスに加え、関東バスも運行しています。

高田馬場の地価は、近年上昇傾向にあり、住宅地としての価値も高まっています。様々な施設や商業ビルが立ち並び、これからも発展を続ける地域と言えるでしょう。

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