堂之脇光朗

堂ノ脇光朗（どうのわき みつろう）は、1932年2月14日に東京都で生まれ、2015年9月7日に逝去した日本の外交官です。最終的な役職は、特定非営利活動法人日本紛争予防センターの会長でした。彼の生涯は、国際社会における日本の役割を深く理解し、平和と安定のために尽力した人物として記憶されています。

生い立ちと外交官への道

堂ノ脇氏は、東京都立青山高等学校を経て、東京大学法学部を卒業後、1954年に外務省に入省しました。この選択は、彼のキャリアを国際舞台へと導く第一歩となりました。彼は、入省後、着実にキャリアを積み重ね、その才能と努力によって、数々の重要なポストを歴任することになります。

外交官としてのキャリア

外務省入省後、堂ノ脇氏は、その卓越した能力を発揮し、様々な要職を歴任しました。初期には、アメリカ局調査官や外務大臣官房国際資料部分析課長などを務め、国際情勢の分析に貢献しました。その後、在アメリカ合衆国日本国大使館の一等書記官、そして参事官として、日米関係の強化に努めました。

1975年には、在中華人民共和国日本国大使館に配置換えとなり、その後、在カンボジア日本国大使館も兼務しました。これらのポストを通じて、アジアにおける日本の外交政策に深く関与しました。その後も、大臣官房調査部外務参事官や欧亜局外務参事官などの要職を歴任し、日本の外交政策の立案と実行に貢献しました。

1982年には、在ホノルル日本国総領事館総領事を務め、地域における日本のプレゼンスを高めました。その後、中南米局長として、中南米諸国との関係強化に尽力しました。そして、1986年には、ナイジェリア国駐箚特命全権大使に任命され、アフリカにおける日本の外交活動を推進しました。

1989年には、軍縮会議日本政府代表部特命全権大使として、国際的な軍縮問題に取り組みました。この時期に、彼は国際社会における日本の役割を改めて認識し、平和構築への強い決意を固めたと言えます。その後、メキシコ国駐箚特命全権大使として、メキシコおよびベリーズ、ハイチとの関係強化に努めました。

1996年に外務省を退職するまでの間、堂ノ脇氏は、その豊富な経験と知識を活かし、日本の外交政策に多大な貢献を果たしました。彼の外交官としてのキャリアは、日本の国際社会における地位向上に大きく貢献しました。

退官後の活動

外務省退職後も、堂ノ脇氏の活動は止まることはありませんでした。東海銀行（のちの三菱東京UFJ銀行）の顧問や、国際連合事務総長軍事諮問委員会議長などの要職を歴任しました。また、日本予防外交センター副会長として、紛争予防と平和構築に力を注ぎました。2002年からは、特定非営利活動法人日本予防外交センターの副会長を務め、その後会長として、紛争予防と平和構築に貢献しました。これらの活動を通して、彼は国際社会における日本の役割を積極的に推進し続けました。公益財団法人日本国際フォーラム政策委員も務めました。

2015年、堂ノ脇光朗氏はその生涯を閉じましたが、彼の残した功績は、日本の外交史に深く刻まれています。叙従三位。

主な職歴

1953年10月15日：外交官領事官採用試験合格
1954年3月：東京大学法学部卒業
1954年4月：外務省入省
1969年6月23日：アメリカ局調査官
1969年8月4日：外務大臣官房国際資料部分析課長
1973年6月5日：在アメリカ合衆国日本国大使館一等書記官、のちに参事官
1975年12月20日：在中華人民共和国日本国大使館に配置換、のちに兼在カンボディア日本国大使館
1978年10月16日：大臣官房調査部外務参事官
1979年10月29日：欧亜局外務参事官
1980年4月5日：大臣官房審議官兼欧亜局
1982年2月16日：在ホノルル日本国総領事館総領事
1984年1月27日：中南米局長
1986年1月21日：大臣官房勤務
1986年4月7日：ナイジェリア国駐箚特命全権大使
1989年8月1日：軍縮会議日本政府代表部特命全権大使
1992年4月28日：臨時本省事務従事（待命大使）
1993年4月13日：メキシコ国駐箚特命全権大使
1993年10月22日：メキシコ国兼ベリーズ国駐箚特命全権大使
1993年12月24日：メキシコ国兼ハイティ国ベリーズ国駐箚特命全権大使
1995年4月11日：メキシコ国兼ベリーズ国駐箚特命全権大使
1995年10月13日：メキシコ国兼ベリーズ国駐箚を免ぜられる。
1996年12月26日：外務省依願退職、同参与（2004年まで）
1996年：東海銀行顧問
1996年：国連事務総長軍事諮問委員会議長
1997年：同再任
1999年：日本予防外交センター副会長
2002年：特定非営利活動法人日本予防外交センター副会長
2015年：逝去。叙従三位。

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