堰 (安曇野)

安曇野の堰について

長野県安曇野地域において、「堰（せぎ）」とは用水路を意味する言葉です。安曇野は複合扇状地という地形的な特徴から、水資源に乏しい地域でした。しかし、先人たちが知恵と労力を注ぎ込み、堰を開削したことによって、水田開発が大きく進展しました。

堰の分類

安曇野の堰は、その構造や水の流れ方によって大きく2つに分類できます。

1. 縦堰（たてせぎ）
北アルプスの急な傾斜を利用して、山から麓へと水を流す堰です。
山の斜面を直接利用するため、水の流れが速いのが特徴です。
代表的な縦堰には、鳥羽堰、穂高沢、矢原沢などがあります。

2. 横堰（よこせぎ）
等高線とほぼ平行に水を流す堰です。
縦堰のように山の斜面を利用せず、平坦な場所に水を広範囲に行き渡らせる目的で作られています。
水の流れは縦堰に比べて緩やかで、このゆっくりと流れる水のことを「押水（おしみず）」と呼びます。
横堰の代表例としては、拾ヶ堰、勘左衛門堰、矢原堰、新田堰、新堀堰などが挙げられます。

安曇野の主な堰

安曇野には、歴史と人々の生活を支えてきた多くの堰が存在します。以下に主な堰をまとめました。

拾ヶ堰
勘左衛門堰
矢原堰
新田堰
新堀堰（堀廻堰）
鳥羽堰
富田堰
長尾堰
温堰（ぬるせぎ）
穂高沢
矢原沢

これらの堰は、安曇野の農業を支えるだけでなく、美しい景観の一部としても親しまれています。それぞれの堰には、その歴史や特徴、地域の人々の生活との関わりがあります。機会があれば、これらの堰を訪ねてみてはいかがでしょうか。

関連項目

安曇野
灌漑
* 用水路

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