塩原温泉天皇の間記念公園

塩原温泉天皇の間記念公園

栃木県那須塩原市に位置する塩原温泉天皇の間記念公園は、かつて塩原に存在した御用邸の建物を移築し、保存している公園です。特に、旧塩原御用邸の天皇御座所は、その歴史的価値から多くの人々にとって重要な存在となっています。

歴史

塩原御用邸は廃止後、厚生労働省に移管され、国立塩原視力障害センターとなりました。しかし、センターの設備拡充に伴い、御用邸の建物は徐々に失われていきました。「天皇の間」として保存されていた天皇御座所も、1981年3月には取り壊しが決定。しかし、周辺住民の保存を望む声を受け、旧塩原町が厚生労働省から払い下げを受け、栃木県の補助金を得て、約500m離れた場所に解体移築しました。

移築事業には約2千万円の費用が投じられ、解体工事は1981年5月に開始。柱一本一本、天井板や屋根板一枚一枚に番号を割り振り、文化財専門業者によって新築以上の手間をかけて、同年9月までに外観が完成しました。また、払い下げ申請と並行して栃木県教育委員会に文化財指定を申請し、1981年9月29日付で「旧塩原御用邸新御座所」として栃木県有形文化財に指定されました。

公園概要

• - 所在地：栃木県那須塩原市塩原1266番地113
• - 入場料：有料
• - 駐車場：数台分のスペースあり
• - 営業時間：午前9時 - 午後5時（冬季は午後4時半まで）
• - 定休日：毎週水曜日（夏休み期間中は無休）

天皇の間

木造平屋建、入母屋造りの建物で、開口は十間、奥行きは八間。二重回廊が設けられた田の字型の夏型御座所です。明治38年に東京の宮内省で仮組された後、分割して塩原御用邸まで輸送されました。これは、当時の塩原への道が狭かったためです。広さは151.6平方メートルで、12畳の部屋が3つ、15畳の部屋が1つあります。

歌碑

幼少期に毎年夏に旧塩原御用邸で避暑をしていた三笠宮崇仁親王が、11歳の頃に詠んだ和歌を記念して、崇仁親王の卒寿を記念して2006年に塩原の住民が建立しました。除幕式には崇仁親王も出席されました。

交通アクセス

• - 鉄道・バス

- 西那須野駅または那須塩原駅西口からJRバス塩原温泉バスターミナル行きに乗車し、「塩原福渡」バス停で下車後、徒歩約6分。
- 上三依塩原温泉口駅より那須塩原市営バス塩原・上三依線にて「天皇の間記念公園前」バス停下車すぐ。

参考文献

• - 塩原温泉郷土史研究会 編集委員『塩原温泉 文化財と史跡めぐり』随想舎、2022年2月17日。ISBN 978-4-88748397-2。

外部リンク

塩原温泉天皇の間記念公園

塩原温泉天皇の間記念公園は、歴史的な建造物や美しい自然に囲まれた、心安らぐ空間です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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