塩澤昌貞

塩澤 昌貞について

生涯の概要

塩澤昌貞（しおざわ まささだ、1870年11月14日 - 1945年7月7日）は、茨城県水戸市出身の著名な経済学者であり法学博士です。彼は早稲田大学の第4代学長及び第2代総長として、教育界に大きな影響を与えました。彼の人生は、学問、教育、そして社会活動を通じて多様な業績を残しています。

幼少期と教育

昌貞は士族・関昌恒の次男として誕生し、その後士族・塩澤元孝の養子となりました。彼は早くから学問に秀で、栗田寛の私塾で教育を受けました。その後、東京に進学し、東京英語学校などで学びながら、1891年に当時の東京専門学校（後の早稲田大学）英語政治科を首席で卒業しました。この際、大隈重信の妻である大隈綾子夫人から記念品を贈られるなど、彼の才能は認められていました。

海外留学と学問への道

塩澤は1896年にアメリカのウィスコンシン大学大学院に留学し、リチャード・T・イーリー教授の指導のもとで経済学を学びました。1900年にはドクター・オヴ・フィロソフィーの学位を取得し、その後もドイツのハレ大学やベルリン大学で名だたる教授たちから学び続けました。帰国後は早稲田大学に教授として迎え入れられ、次第にその地位を確立していきました。

教育界での活躍

彼は1909年に法学博士の学位を取得し、1911年には早稲田大学の政治経済科の科長に就任します。そして1921年には第4代学長として早稲田大学を指導しました。この間、日本の社会や経済が激変する中で、彼は教育の重要性を訴え続け、学生たちに優れた学問を提供すべく尽力しました。また、1934年には帝国学士院の会員に選ばれるなど、その業績は高く評価されました。

著作と研究

塩澤は精力的に著作活動にも取り組みました。彼の代表的な著書には『国民経済学原論』や『思想問題』があり、経済学の基礎理論や社会問題に関する深い洞察を提供しました。また、彼はさまざまな論文や翻訳を手掛けるなど、学問活動を通じて日本の経済学の発展にも寄与しました。

晩年とボート競技

隆盛を誇った彼ですが、晩年には日本漕艇協会の会長としても活動しました。彼が早稲田大学でボート競技に関わっていたことから、自然とこの役職に就くこととなりました。1940年には戸田漕艇場のオープン時に、会長として70歳を超えて艇に乗り込み舵手を務める姿が印象的です。

最期と遺産

1945年、静養中の静岡県伊東町で74歳でこの世を去りました。彼の墓所は染井霊園にあります。塩澤昌貞の一生は、学問を通じて多くの後進に影響を与え、教育界や社会の発展に貢献したことが評価されています。彼の業績は今もなお、多くの人々に語り継がれています。

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