塩見貴洋

塩見貴洋の選手人生

塩見貴洋（しおみ たかひろ）は1988年9月6日、大阪府守口市で生まれた元プロ野球選手（投手）である。左投左打の投手として知られ、大学時代にはその圧倒的な実力で多くの注目を集めた。

経歴の始まり

塩見は小学校の頃から野球を始め、守口市の佐太スポーツ少年団に所属していた。中学時代は守口シニアで外野手としてプレーしていたが、進学先の帝京第五高等学校で本格的に投手に転向することになる。高校3年間で20cmも身長が伸び、球速も向上。特に3年時の夏には県ベスト8入りの成績を残し、1回戦では13者連続三振を奪う活躍を見せた。

その後、八戸大学に進学。大学では「みちのくのドクターK」として知られた彼も、腰痛に悩まされることになった。1年目は登板ゼロ、2年目も怪我で出場できず、思うようにいかない日々が続いた。しかし、父親の励ましにより4年間続けることの大切さを理解し、じっくりと成長していく。3年目には防御率0.00という驚異的な成績を残し、48イニング無失点を達成。これにより、プロへの道が開けることとなった。

プロ入り

2010年のドラフトで東北楽天ゴールデンイーグルスと東京ヤクルトスワローズから1位指名を受け、楽天が交渉権を獲得。契約金1億円、年俸1500万円、背番号11でプロの世界に飛び込んだ。

楽天時代

塩見は2011年にプロ入りし、イースタン・リーグで好成績を収めた後、一軍に昇格。初登板は5月5日の福岡ソフトバンクホークス戦であり、6回を無失点で投げ切りプロ入り初勝利を挙げた。その後、交流戦でも活躍を見せ、最終的に9勝9敗、防御率2.85という素晴らしい成績を残し、球団史上初の左腕投手による規定投球回到達を果たす。

翌2012年には開幕戦でプロ初完封勝利を達成。しかしその後は登板数が減少し、シーズンを通して苦しい戦いが続いた。2013年には肩の痛みが発生し、4年目には1年ぶりの勝利を挙げたものの、肩の痛みを再発させた。

体調との戦い

2015年から2016年にかけての期間、塩見は体調不良が災いし、厳しいシーズンを強いられる。腰痛による影響もあり、一軍出場がままならなかった。2017年にはクライマックスシリーズで好投し、僅か数勝だったものの、存在感を見せた。

引退とその後

2023年、パ・リーグのイースタン・リーグで奮闘した後、戦力外通告を受ける悲しい決断が下され、12月に現役を引退した。しかし、彼のキャリアはここに終わらず、2024年からは楽天のイーグルスアカデミーでコーチとして新たな一歩を踏み出す予定である。

特徴と人物

塩見は平均139km/hのストレートをはじめ、変化球の切れ味も光る投手として知られていた。一方で、被本塁打が多く「一発病」とも言われた彼のスタイルは、見る者の心を捉え続けた。また、女性人気も高く、結婚前には2年連続でバレンタインデーにチョコレートを受け取るなど、男性選手としての一面も輝いていた。

塩見貴洋の選手としての生涯は、高校野球からプロの世界まで波乱に満ちたものであったが、それでも彼は様々な形で人々に感動を与え続ける存在であった。

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