境水道大橋

境水道大橋について

境水道大橋（さかいすいどうおおはし）は、島根県松江市と鳥取県境港市を結ぶ国道431号に位置する橋であり、境水道を横断しています。2002年7月までは一般有料道路として利用されていましたが、現在は無料で通行できる橋として親しまれています。

橋の概要

この橋は、全長709メートルの3径間連続トラス橋であり、1972年7月に開通しました。日本道路公団による6年間の調査と研究を経て、さらに3年の工事期間を要し、開通時には中国地方で最も長い橋として注目を集めました。全国的にも5番目の長さを誇るこの橋は、松江市側の標高が約50メートルであるのに対し、境港市側はほぼ埋立地のため0メートルという高低差があり、これにより左右非対称の構造となっています。この特異な設計は、上路式と下路式を組み合わせたもので、土木学会の田中賞をも受賞しています。

道路の情報

境水道大橋の起点は島根県松江市美保関町森山で、終点は鳥取県境港市岬町です。橋は2車線の構造で、制限速度は40km/h（境港側の入り口は30km/h）です。通行料金は1972年から2002年まで徴収されており、軽車両も通行可能でしたが、それにも料金が課せられていました。通行料は普通車で200円で、開通後約30年の歴史を持ちます。2002年からは「おさかな大橋」という愛称が付けられ、開通30周年を記念したイベントで決定されたものです。

歩道とその設計について

境水道大橋に設けられた歩道は非常に狭い設計となっており、当初は歩道を省略する方針がありました。これは、橋の採算が厳しいためであり、将来の段階施工を見越して設計が進められました。

橋の歴史

設計段階では、外航船が通行できるようにという地域の要望を受け入れるため、多くの難題に直面しました。橋の形式として、三径間連続上下路式曲弦トラス橋が採用され、取り付け道路においても調整が行われました。そのため、境港市側の取り付け道路の勾配が通常の最大限度である5%を超え、7.25%という急勾配になりました。また、美保関町側では用地交渉が難航し、結果的に開通予定が1年遅れることとなりました。

開通までには渡し船が境水道を横断する主要な交通手段でしたが、橋が開通したことで次第に廃止され、2007年には旅客船の運行も終了したことから、境水道渡船は姿を消しました。

記録

境水道大橋の年表は以下の通りです:

• - 1969年（昭和44年）11月: 日本道路公団（当時）が着工。
• - 1972年（昭和47年）7月22日: 日本道路公団が管理する一般有料道路として供用開始。
• - 2002年（平成14年）7月21日: 料金徴収が終了、翌22日0時から無料開放。
• - 2012年（平成24年）10月16日: 橋の耐震補強工事が開始。
• - 2014年（平成26年）12月24日: 耐震補強工事が完了。

境水道大橋はその美しい景観と独特のデザインで知られ、地域交通の要所として重要な役割を果たしています。

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