境水道

境水道の解説

境水道（さかいすいどう）は、中海と日本海（美保湾）の間に広がる海域で、島根県松江市の島根半島と鳥取県境港市の弓ヶ浜半島との間に位置します。この場所は、全長約8kmにも及ぶ海峡のような存在であり、一級水系である斐伊川本流の一部とされています。

地理的特徴

境水道は鳥取県と島根県の県境にあり、北側が島根県、南側が鳥取県になります。この地域の全域は、重要な港湾である境港の港湾区域によってカバーされています。中海を海とみなすと、境水道は海峡に当たります。しかし、過去に淡水化事業が行われ、中海は汽水湖としての性質を持つことになったため、境水道は河川として位置付けられています。

斐伊川本川の河口は境水道ではなく、日本海に流れ込む地点にありますが、河川整備計画では便宜上、宍道湖の合流点よりも上流側の区間を斐伊川本川と呼称し、流入地点を斐伊川本川河口部として特定しています。このエリアは水防警報河川にも指定されており、境水道は水位周知河川として、避難判断水位の情報提供も行っています。

治水計画と災害

境水道周辺は、斐伊川本川下流部からの水位差がほとんどなく、潮位の影響を受けやすい地域です。実際、2002年から2004年にかけて、高潮による浸水被害が多発しました。そのため、治水対策として尾原ダムや志津見ダムの建設、また神戸川へと流れる斐伊川放水路の整備が行われてきました。さらに、大橋川の改修や宍道湖・中海湖岸堤の整備も進められています。

文化・イベント

夏季には、境水道で特別なイベントとしてペーロン（龍舟競漕）による境港ボートレース大会が開催され、多くの観光客や地域の人々が集まります。これは、地域の文化や伝統を継承する重要なイベントのひとつです。

交通アクセス

境水道には、国道431号線に架けられた境水道大橋の存在があり、両県の連絡網として重要な役割を果たしています。また、公共交通機関として松江市美保関コミュニティバスが運行されており、地域住民や観光客にとって便利な移動手段となっています。なお、2007年3月までは境水道の渡船も運航されていました。

このように、境水道は地理的な重要性だけでなく、文化的・交通的な面でも重要なエリアとなっています。

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